知恵蔵 の解説
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン
同パークのある此花区桜島地区は、阪神工業地帯の中核として大工場が立ち並ぶ埋め立て地だった。1980年代以降は、重工業の比重低下などから企業が撤退して空き地化が進んでいた。90年代に入って、日本進出を検討していたユニバーサル・スタジオに対して大阪市が用地の有効活用と産業振興のために同地区を提案。運営は大阪市が過半数を出資する第三セクターとして設立された株式会社ユー・エス・ジェイ。初年度こそ来場者は1100万人を数えたが、以降年間800万人程度に低迷、借入金返済や利払いに追われ経営が難航した。2005年には米ゴールドマン・サックスが同社を引き取ってリファイナンスを実施、経営の立て直しを進めた。積極的な集客策で、11年度以降は来場者増が続き、12年には累計1億人突破、13年度には年間1千万人を超えるまでになった。
現在の敷地では、これ以上のアトラクションを増やす余地がないため、関西以外で同規模のテーマパークを新設するとの計画を同社が14年に発表。20年東京オリンピック前の開業を目指して、日本国内及びアジア各国に候補地を絞り込んでいるという。建設費数千億円ともいわれ、開業後にも圧倒的な集客が見込まれる。
(金谷俊秀 ライター ／ 2014年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報