リベラリズム(読み)りべらりずむ(その他表記)liberalism

翻訳|liberalism

デジタル大辞泉 「リベラリズム」の意味・読み・例文・類語

リベラリズム(liberalism)

自由主義

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精選版 日本国語大辞典 「リベラリズム」の意味・読み・例文・類語

リベラリズム

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] liberalism ) 自由主義。
    1. [初出の実例]「政論の部類は泰西の学者その傾向につきてこれを四種に分つ、〈略〉リベラリズム(進歩論派)」(出典:近時政論考(1891)〈陸羯南〉四)

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知恵蔵 「リベラリズム」の解説

リベラリズム

近代社会が不可避的に抱え込む価値対立とその克服のために構想された政治哲学原理。欧州における価値対立の問題は、宗教改革が引き起こしたカトリックプロテスタントの宗教戦争を起源としている。異質な価値観を持った者同士の共存は個々人の自由を認め合い、共生することでしか解決しないという考えに基づき、ホッブズ、ロック、ルソーカントヘーゲルといった近代哲学者は、「自由」を権利の基本原理とするリベラリズムの立場を深めてきた。ところが現在、リベラリズムに対しては様々な立場からの批判がある。フェミニズムや多文化主義は、その普遍性公私区分を批判する。また共同体主義はリベラリズムの想定する人間を、共同体の伝統や慣習から切り離されて具体的な内実を失った抽象的な個人とみなし、批判する。伝統的価値や人種や性別のような具体的な属性なしに、諸個人が「善き生」の構想を持つことはできないとするのである。また現代のリベラリズムは、権利や政治的正当性の基礎となる原理として必ずしも「自由」に依拠するわけではなく、論者によって様々な考え方がある。その意味でリベラリズムの一般的な訳語としての「自由主義」は適切とはいえない。例えば初期ロールズは公正を、ドゥオーキンは平等を基底的理念として提示した。ロールズは初期にはリベラリズムを人類的普遍性を持つものとして基礎付けようとしたが、後に近代市民社会という特殊な社会だけに適応できる政治思想としてその普遍性を否定した。その結果、権利の基礎の哲学的探求を放棄し、ローティやグレイらと同様に「政治的リベラリズム」の立場に立った。このようにリベラリズムの根本原理は何であるのか、またそれは必要なのかを巡っては、現在でも多くの議論がなされている。

(野口勝三 京都精華大学助教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「リベラリズム」の意味・わかりやすい解説

リベラリズム
りべらりずむ

自由主義

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リベラリズム」の意味・わかりやすい解説

リベラリズム

自由主義」のページをご覧ください。

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