平安中期の女流歌人。三十六歌仙の一人。父は宇多天皇の皇子敦慶(あつよし)親王,母は古今集時代最高の女流歌人の伊勢。父が中務卿だったので,中務という女房名で呼ばれた。太政大臣藤原忠平や,その息で同じく太政大臣になった実頼の女房であった。母の伊勢に次いで当時最高の女流歌人と評価され,《後撰和歌集》以下の勅撰集に69首も入集したほか,家集に《中務集》があり,夫であった源信明(さねあきら)の家集《信明集》にも歌を残している。〈忘られてしばしまどろむ程もがないつかは君を夢ならで見む〉(《拾遺集》)。
執筆者:片桐 洋一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
生没年不詳。平安中期の女流歌人。宇多(うだ)天皇の第四皇子敦慶(あつよし)親王と歌人伊勢(いせ)との間に生まれた。名称はおそらく中務卿(きょう)であった父の官名によるのであろうが、彼女の確かな宮仕えの記録がなく、それがどういう機会に与えられたものであるかは不明。源信明(さねあきら)、平かねき、藤原実頼(さねより)、元良(もとよし)親王など、彼女と関係のあった男性は多いが、そのなかで信明との間がもっとも長く、深かったようで、2人の間には多数の贈答歌が残されている。三十六歌仙の1人で、有名歌合(うたあわせ)にしばしば参加し、『後撰(ごせん)和歌集』以下の勅撰集に六十数首入集。家集に『中務集』がある。
さやかにも見るべき月をわれはただ涙に曇る折りぞ多かる
[久保木哲夫]
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