デジタル大辞泉 「九州新幹線」の意味・読み・例文・類語
きゅうしゅう‐しんかんせん〔キウシウ‐〕【九州新幹線】
[補説]九州新幹線の駅(鹿児島ルート):(山陽新幹線から直通)‐博多‐
九州新幹線の駅(長崎ルート):(博多)‐(新鳥栖)‐(佐賀)‐(肥前山口)‐
博多―鹿児島中央を結ぶ約256キロの鹿児島ルートは、南半分に当たる新八代―鹿児島中央が2004年に部分開業した。残る博多―新八代は11年3月12日に開通して全線がつながった。博多―鹿児島中央の所要時間は最速1時間17分。一部は山陽新幹線に乗り入れ、新大阪まで直通運転している。博多―長崎の長崎ルートは建設中。
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全国新幹線鉄道整備法(昭和45年法律第71号)により整備が進められた整備新幹線の一つ。福岡市(博多(はかた))と鹿児島市(鹿児島中央)を熊本市、薩摩川内(さつませんだい)市経由で結ぶ鹿児島ルートと、福岡市と長崎市を佐賀市付近経由で結ぶ長崎(西九州)ルートがある。
鹿児島ルートの線路名称は「九州新幹線」である。2004年(平成16)3月に新八代(しんやつしろ)―鹿児島中央間(営業キロ数137.6キロ)が部分開通し、在来線では3時間50分であった博多―西鹿児島(現、鹿児島中央)間を最短2時間12分で結び、さらに2011年3月の全線開通により、博多―鹿児島中央間(営業キロ数288.9キロ)は最短1時間19分となった。また、博多から山陽新幹線に乗り入れて新大阪―鹿児島中央間で直通運転も実施され、同区間は最短3時間45分で結ばれた(2011年3月開業時の数値)。
長崎(西九州)ルートは、鹿児島ルートの新鳥栖(しんとす)から分岐して長崎に至るルートである。沿線の地方公共団体の反対により着工が遅れていたが、武雄温泉(たけおおんせん)―長崎間(営業キロ数69.6キロ)が線路名称「西九州新幹線」として、2022年(令和4)9月23日に先行して開業した(2023年4月時点で武雄温泉―新鳥栖間は未着工)。この開業により同区間は最短23分で結ばれ、在来線の博多―武雄温泉間に運行される「リレーかもめ」を利用すると博多―長崎間は開業前の1時間57分から1時間20分へと30分以上短縮された。
なお全国新幹線鉄道整備法上の名称は、鹿児島ルートが九州新幹線(鹿児島ルート)、長崎ルートが九州新幹線(西九州ルート)である。九州新幹線、西九州新幹線ともに九州旅客鉄道(JR九州)に所属する。
[青木 亮 2023年4月20日]
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…高速鉄道網の整備を促進するため,暫定的に狭軌の新幹線鉄道規格新線を建設し,狭軌であっても従来より高速の時速160km以上の列車を運行できるようにする方式。1997年9月現在,北陸新幹線の糸魚川~魚津間と石動~金沢間,九州新幹線の八代~西鹿児島間がこれにより建設が行われている。なお,青函トンネルも新幹線を運行できる規格で建設されたが,88年から狭軌の線路だけを敷いて開業しており,ここでは91年から時速140kmでの運転が行われている。…
…ただし1990年からは,暫定的に標準軌新線(フル規格の新幹線)だけでなく,狭軌の新幹線鉄道規格新線(スーパー特急)または従来の狭軌線を標準軌に改めた新幹線鉄道直通線(ミニ新幹線)として建設する方式も併用されることになった。97年10月には北陸新幹線の高崎~長野間がフル規格で開業したが,この時点では東北新幹線の盛岡~八戸間がフル規格で,北陸新幹線の糸魚川~魚津間と石動~金沢間,九州新幹線の八代~西鹿児島間がスーパー特急として建設が行われている。なお,政府・与党の方針で新幹線が建設される区間の並行在来線は原則として廃止されることになっており,このため代替輸送などの問題が起こっている。…
※「九州新幹線」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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