介護保険サービスを提供した事業所に対価として支払われる報酬。国が公定価格として定め、原則3年に1度、事業所の経営状況などを踏まえて改定する。サービスを利用すると所得に応じて1~3割の自己負担を支払い、残りを国と自治体の公費、40歳以上の人が支払う保険料で賄う。報酬を増やすとサービスの充実や職員の処遇改善が期待できる一方、利用者の自己負担や保険料は上がる。2021~23年度の65歳以上の保険料は全国平均で月6014円。
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提供した介護サービスの対価として、2000年度(平成12)から導入された介護保険制度により保険と公費から支払われるもの。医療サービスの提供に対して医療保険から支払われる診療報酬に準じて、介護報酬とよばれ、介護保険の給付対象となる介護サービスを利用者に提供した介護施設や事業者に支払われる。サービスにかかる費用の1割はサービス利用者が負担し、残りの9割は介護保険の運営主体である市町村に対して請求される。介護サービスの算定基準は、厚生労働大臣が社会保険審議会の介護給付費分科会の答申に基づいて定め、サービスに応じた介護報酬の支給額が算定される。支給限度額はサービス利用者の要介護度、介護サービスに要する時間に応じて異なり、また地域によっても異なる。
これまで24種類の52サービスが提供されてきているが、介護報酬額の増大に歯止めがかかっていない。そのため近年では必要に応じた多様なサービスが考案され提供される一方で、要介護度の低いサービス利用者に対する支給限度額が減額されたり、自己負担額が増額されるという傾向が続いている。行われているサービスのおもなものに、介護の相談やケアプラン作成を受けられる居宅介護支援、自宅に訪問してもらう訪問看護・訪問介護・夜間対応型訪問介護、訪問入浴、訪問リハビリ、定期巡回・随時対応型訪問看護や介護、施設に通って受ける通所介護や認知症対応型通所介護、通所リハビリ、療養通所介護、短期間の宿泊をして受ける短期入所生活介護(ショートステイ)・療養介護、これらを組み合わせる小規模多機能型居宅介護、複合型サービスなどがある。
なお、入所を受け入れる施設には、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、介護老人保健施設(老健)、介護療養型医療施設、特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム、軽費老人ホーム等)などの種類がある。
[編集部 2017年2月16日]
(梶本章 朝日新聞記者 / 2007年)
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