仮設住宅(読み)カセツジュウタク

デジタル大辞泉 「仮設住宅」の意味・読み・例文・類語

かせつ‐じゅうたく〔‐ヂユウタク〕【仮設住宅】

地震・台風などの自然災害によって住宅全壊などの被害を受け、自力では住居を確保できない被災者に対して、心身保全プライバシーの確保を図るために、行政が建設し一時的に供与する簡単な住宅。災害救助法に基づく被災者支援策の一つとして、都道府県が建設する。原則として、災害発生日から20日以内に着工され、供与期間は2年以内と定められているが、災害の状況によって延長される場合がある。応急仮設住宅

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

共同通信ニュース用語解説 「仮設住宅」の解説

仮設住宅

災害救助法に基づき、被災者に住宅確保までの仮住まいとして自治体無償提供する。入居は原則として自宅が全壊、全焼、流失した人が対象。近年半壊であっても、流入した土砂などにより住めない状態にある場合も認める運用をしている。期間は原則2年間。プレハブ仮設のイメージが強いが、民間賃貸住宅を行政が借り上げる「みなし仮設」は建設費が不要なため、都市部の自治体が被災した場合に採用するケースが増えている。

更新日:

出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「仮設住宅」の意味・わかりやすい解説

仮設住宅
かせつじゅうたく

災害によって住まいを失った世帯向けの応急仮設住宅。略して仮設住宅とよぶことが多い。1995年(平成7)の阪神・淡路大震災、2011年(平成23)の東日本大震災、福島第一原子力発電所事故による避難などで大規模に建設された。被災者にとっては、被災直後の避難所の次の住まいであり、落ち着いて生活できる恒久復興住宅や再建した自宅の前段階になる。応急仮設住宅は、被災者の仮住まいを迅速に建設する必要があることと、短期間での退去が予定され、建設地も限られるために簡易な工法・構造であり、住戸も狭小、画一的で設備も最小限となることが多い。改善されてきてはいるが、住み心地や設備などの不具合、施工不良などの問題がつねに指摘される。さらに住宅の質だけでなく、居住地や生活の場として、居住者の精神的不安定や近隣関係、高齢者問題、生活問題など対処すべき課題が多い。

[多治見左近]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android