会員の出資による共同組織形態の地域金融機関。全国に264あり、中小・零細企業や個人を主な取引先とする。2017年3月末時点で、預金量の合計は137兆9128億円。各地で再編が進み、北海道では来年1月に札幌信用金庫(札幌市)など3信金が合併する予定。宮崎県の宮崎信用金庫(宮崎市)と都城信用金庫(都城市)も合併することで合意している。
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出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報
1951年(昭和26)施行の信用金庫法に基づいて設立されている非営利地域密着型相互扶助組織の協同組合金融機関。一定の地域内の居住者と中小企業、個人を会員=出資者とする地域限定・地縁的リテール(小口取引)金融機関である。会員相互間の地位の平等性から1人1票の議決権を有し、総会または総代会が最高議決機関として理事および監事を選任する。非営利法人であることから配当が制限され、公共性が高く、信用の維持と預金者保護のため、出資金の最低限度が定められている。
固有業務は会員および非会員の預金・定期積金の受入れ、会員への貸出と手形割引、内国・外国為替取引である。会員外の貸出は会員貸出を妨げない範囲で貸出総額の20%以内で認められ、公的機関貸出や金融機関貸出、会員であった事業者が会員資格の範囲を超えて企業が成長して脱退した場合、脱退後一定期間に限り引き続き融資する卒業生金融、会員資格はあるが非会員に対して700万円まで融資する小口員外貸出などに限定される。同一人に対する貸出額制限、大口融資規制も実施されている。付随業務には会員の債務保証、金銭債権の取得・譲渡、証券・信託業務、保険販売業務、確定拠出年金業務、代理業務などと拡大しており、いずれの業務も銀行とあまり変わらず、非会員からの預金が会員の預金を上回るなど、同質化が進行している。不特定多数の顧客と取引する株式会社の銀行と、おもに組合員を対象とする信用組合との中間的存在である。各金庫の余裕資金は、中央機関である信金中央金庫が効率的に運用している。
「失われた十年」以降、金融機関の競争の激化から経営破綻(はたん)、清算や解散、合併・吸収が相次ぎ、1985年末の456から2008年(平成20)3月末には281まで激減している。
[金子邦彦]
1949年制定の中小企業等協同組合法に基づく信用協同組合の中の市街地信用組合を主とするものが,51年に信用金庫法に基づき転換した中小企業金融機関。信金と略す。組合組織と株主組織との中間的な会員組織形態をとっていることが特徴である。もともと一般金融機関的傾向の強いものが多かっただけに,信金は制度発足以来順調な発展を遂げ,その総資金量は67年以降相互銀行を上回り,中小企業金融分野において重要な存在として定着するに至った。信金は協同組織の金融機関であるが,受信面では会員以外のものからも預金を受け入れて金融能力の充実を図っている点が,大きな特徴になっている。このような事情もあって,信金はその発展の過程において実体と理念の間に乖離(かいり)が生じてきた。すなわち,会員制度の名目化,協同組織の理念の形骸化の現象である。貸出面では形式的に会員になれば容易に融資が受けられ,他方,資金吸収面では員外預金が増加しているなど,銀行との同質化がすすんでいる。信金業界は会員組織の活性化を図ることによって,このことに対応しようとしている。なお信金の上部機関として全国信用金庫連合会があり,元来地域的な組織である信金の資金の需給調整を図ることによって,資金の効率的運用を期している。現在の信用金庫数416(1996年3月末)。
→中小企業金融
執筆者:山下 邦男
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