系統測定誤差(特定の原因があって生じ、真の値との差に方向性のある誤差)の推定値。従来の誤差論では、測定における誤差を、何らかのつきとめうる原因に基づき系統的に一方向にずれる成分の「偏り」と、偶然的に分布する成分の「ばらつき」に分けていた。1993年に文書化された「測定不確かさ評価の手法」では、偏りがあれば、それを補正した後の総合的な測定結果のばらつきを「不確かさ」として評価することを推奨している。しかし、場合によってはこの偏りも含めて総合的に合成する手法もありうる。
測定不確かさ評価の手法では、ばらつきの成分を系統的なものと偶然的なものに区別することなく、種々の要因ごとのばらつきを求めて、それらを総合的に合成し、一定の信頼の水準を示して表現することを推奨している。
[今井秀孝]