六ヶ所(読み)ろっかしょ

改訂新版 世界大百科事典 「六ヶ所」の意味・わかりやすい解説

六ヶ所[村] (ろっかしょ)

青森県北東部,上北郡の村。人口1万1095(2010)。下北半島中部に位置し,東は太平洋に面する。南は小川原(おがわら)湖に面して洪積台地が広がり,湖沼が多い。北部下北丘陵の東斜面を占める。町名は,1889年の町村制施行に際して6ヵ村が合併したことによる。〈やませ〉と呼ばれる夏の冷湿な偏東風のため農業は振るわなかったが,1955年から南西部の台地国営の大規模機械開墾が進められ,県内有数の酪農地帯となり,県の酪農振興センター(現在は青い森農林振興公社が運営)も置かれた。71年から本格化したむつ小川原開発の拠点で,尾駮(おぶち)沼,鷹架(たかほこ)沼を掘り込んでのむつ小川原港(1977年重要港湾に指定)の築港や石油備蓄基地の建設が進められている。また日本初の核燃料サイクル施設のうち92年までに国家石油備蓄基地,ウラン濃縮工場,低レベル放射性廃棄物埋設センターが完成,操業を始めている。漁港のある泊海岸は海浜植物の群生で知られる。
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百科事典マイペディア 「六ヶ所」の意味・わかりやすい解説

六ヶ所[村]【ろっかしょ】

青森県下北半島東部,上北郡の村。南北に細長く,北部は下北丘陵の東斜面を占め,中部・南部は小川原湖,尾駮(おぶち)沼,鷹架(たかほこ)沼など湖沼が多い。県内有数の酪農地帯。1971年より本格化したむつ小川原開発の拠点であり,1983年石油備蓄基地が操業開始。1984年電気事業連合会が青森県および同村に原子燃料サイクル3施設の立地を申し入れ,1992年以降順次操業を開始。原子燃料サイクル事業の関連施設は,高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター,ウラン濃縮工場,低レベル放射性廃棄物埋設センター,および再処理工場。ほかに原燃PRセンターがある。むつ小川原港は重要港湾に指定。また,下北半島縦貫道路が事業計画中(2004年一部開通)。東日本大震災で,村内において被害が発生。252.68km2。1万1095人(2010)。
→関連項目青森[県]核燃料サイクル放射性廃棄物

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「六ヶ所」の意味・わかりやすい解説

六ヶ所(村)
ろっかしょ

青森県東部、上北郡(かみきたぐん)の村。下北半島(しもきたはんとう)の基部にあり、太平洋に面する。1889年(明治22)の町村制施行により倉内(くらうち)、平沼、鷹架(たかほこ)、尾駮(おぶち)、出戸(でと)、泊(とまり)の6村で一村を構成したのが村名の由来。沼沢地が多く、気候条件も悪いので酪農が中心となっている。尾駮沼、鷹架沼一帯はむつ小川原開発(むつおがわらかいはつ)地域の一部で、1980年(昭和55)から港湾建設、石油国家備蓄の用地造成と石油タンクの建設に入った(1985年完成)。また核燃料サイクルの受け入れを決定。ウラン濃縮工場、低レベル放射性廃棄物埋設センターは、1992年度(平成4)までに操業を開始した。核燃料再処理工場は1993年4月着工。面積252.68平方キロメートル、人口1万0367(2020)。

横山 弘]


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