分光計(読み)ぶんこうけい(英語表記)spectrometer

翻訳|spectrometer

精選版 日本国語大辞典 「分光計」の意味・読み・例文・類語

ぶんこう‐けい ブンクヮウ‥【分光計】

〘名〙 角度目盛を持っている分光器。光の入口、出口両方の望遠鏡を固定したままで、プリズムを回転して、あるスペクトル線が得られたとき、その波長をプリズム回転台についている角度目盛から読み取れるようにした器械スペクトロメーター。〔稿本化学語彙(1900)〕

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デジタル大辞泉 「分光計」の意味・読み・例文・類語

ぶんこう‐けい〔ブンクワウ‐〕【分光計】

角度目盛りをもち、スペクトル線の波長を読み取ることができる分光器。スペクトロメーター。

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改訂新版 世界大百科事典 「分光計」の意味・わかりやすい解説

分光計 (ぶんこうけい)
spectrometer

一般に分光器と称されているものの一つと考えてよいが,とくに波長の読取りに重点が置かれているのが分光計であるといえる。スリットとそれに入射した光を平行光束にするための光学素子からなるコリメーター,入射平行光束を集光させて観測するための望遠鏡,分散素子を置く回転台からなり,図のように配置されたものが基本となっている。回転台は大きな角度目盛円板の中央にあり,望遠鏡はその中心軸を望みながら円板のまわりに自由に移動できその回転角を読むことができる。回転台にプリズムや回折格子などの分散素子を置き,分散光を望遠鏡で観測することによって波長決定ができ,また既知波長の輝線を発する光源を用いてプリズムや回折格子の素子定数を測定することができる。角度目盛が基準となっているので,光学面の角度や傾きはもちろんのこと,素材の屈折率の測定など用途は広い。分散素子が決まっており望遠鏡で捕らえたスペクトルの波長が直読できるような波長目盛をもったものをとくに波長分光計と呼んでいるが,これはモノクロメーターといわれているものと同じである。目の代りに光電検出器を用い,波長走査と同期してスペクトルが自記できるようにしたものも分光計と呼ばれる。
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百科事典マイペディア 「分光計」の意味・わかりやすい解説

分光計【ぶんこうけい】

分光器

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世界大百科事典(旧版)内の分光計の言及

【分光器】より

…(3)ポリクロメーターpolychromator 上記2者を併合したものと考えてよく,分光写真器のスペクトル焦点面に複数個の出口スリットを設置し,目的スペクトル素分の複数個を同時に取り出しうるようにした装置。(4)分光計spectrometer 回転台にプリズムや回折格子などの分散素子を置き,分散光を望遠鏡で観測することによって波長決定ができる装置(分光計)。(5)分光放射計spectroradiometer 発光体からのスペクトル強度の定量測定を(厳密には放射量を単位として)行うための装置。…

【分光器】より

…(3)ポリクロメーターpolychromator 上記2者を併合したものと考えてよく,分光写真器のスペクトル焦点面に複数個の出口スリットを設置し,目的スペクトル素分の複数個を同時に取り出しうるようにした装置。(4)分光計spectrometer 回転台にプリズムや回折格子などの分散素子を置き,分散光を望遠鏡で観測することによって波長決定ができる装置(分光計)。(5)分光放射計spectroradiometer 発光体からのスペクトル強度の定量測定を(厳密には放射量を単位として)行うための装置。…

※「分光計」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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