北海道電力(読み)ほっかいどうでんりょく

共同通信ニュース用語解説 「北海道電力」の解説

北海道電力

1951年設立。水力発電56カ所、火力発電11カ所など主な発電設備は計70カ所。泊原発(泊村、出力207万キロワット)は東日本大震災後停止し再稼働の見通しが立っていない。北海道の地震では苫東厚真火力発電所などが停止し国内初の管内全域停電(ブラックアウト)に陥った。2018年3月期の連結売上高は7330億円、純利益は165億円。

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百科事典マイペディア 「北海道電力」の意味・わかりやすい解説

北海道電力[株]【ほっかいどうでんりょく】

1951年電力再編成で北海道配電,日本発送電(一部)の事業を継承して設立。9電力会社の一つ。北海道全域が供給区域。発電所は73ヵ所(2015年5月)あり,火力発電所を中心に,水力発電所原子力発電所(泊),揚水発電所,地熱発電所,太陽光発電所,風力発電所も有する。北海道泊村の泊原発は,1〜3号機で,1989年〜2009年運転開始,いずれも加圧水型軽水炉であり,3号機はプルサーマル発電を計画している。2015年5月現在,全機定期点検中で稼働していない。2005年,韓国の韓電機工が原子炉設備の整備を請け負っている。2013年4月,原子力規制委員会が発表した新規制基準案(7月施行)では,過酷事故,地震・津波火災などへの対策を大幅に強化するよう要求しており,ほとんどが実施と同時の適用を求めている。また泊原発1号機建屋近くに断層があり,活断層の可能性も指摘されており,新規制基準では真下に活断層がある場合は原発そのものの建設を禁止することになっている。2013年7月原子力規制委員会は北海道電力の申請で,再稼働審査を開始したが,1号機2号機に関しては資料不備で審査を保留。北海道電力は資料を補正し申請しなおし,2014年4月原子力規制委員会は適合審査を再開した。3号機に関しては,2014年2月原子力規制委員会は新規制基準の適合審査で事故時の冷却装置が基準を満たしていないとの考えを提示,北海道電力に対して配管の追加工事など改修工事を求め,さらに3月原子力規制委員会が泊原発3号機のある積丹半島西岸の地形に〈地震性隆起〉の可能性を指摘,検証を進めるよう求めた。再稼働は当面見通せない事態となっている。2014年4月北海道電力は泊原発が稼働できないため火力発電の燃料費が円安影響で値上がりして経営が悪化債務超過に陥る恐れがあるとして,日本政策投資銀行に500億円の資本支援を要請した。2015年4月段階で泊原発の再稼働の見通しはついていない。他の電力会社と異なり需要のピーク冬季であることが特徴。従来風力など新エネルギーの開発にも積極的だが,経営悪化の影響を受け開発投資が滞る可能性もある。2010年度販売電力量323億kWh。本社札幌。2011年資本金1142億円,2011年3月期売上高5662億円。売上構成(%)は,電気96,その他4。→電気事業

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「北海道電力」の意味・わかりやすい解説

北海道電力(株)
ほっかいどうでんりょく

民間電力会社。供給区域は北海道で、1951年(昭和26)電気事業再編成の一環として旧北海道配電の供給区域を継承して設立された。当初は水力中心の電源構成で出発したが、産炭地に立地する地の利を生かして石炭火力の開発に力を入れ、中国電力に続いて全国2番目に第二次世界大戦後の電力不足を解消した。水力開発に関しては、電源開発株式会社と分業体制をとり、日高地方の開発は北海道電力、十勝地方の開発は電源開発(株)がそれぞれ担当する、「水力二頭立て開発」方式をとった。北海道電力は石油火力の開発にも取り組んだが、他の電力会社のような火力発電用燃料の油主炭従化(石油の発熱量が石炭のそれを上回ること)は生じなかった。1989年(平成1)には、北海道古宇(ふるう)郡泊(とまり)村で、原子力発電所の運転を開始した。北海道電力の需要構造には、(1)冷房需要が小さいため他の電力会社でみられる最大電力の先鋭な夏ピークがみられない(冬ピークを維持している)、(2)電灯など民生用のウェイトが大きい、という二つの特徴があり、(1)の点は、年負荷率(ねんふかりつ)(年平均電力の最大3日平均電力に対する比率)を高めて、経営上のメリットとなっている。資本金1143億円(2008)、売上高5433億円(2008)。販売電力量324億キロワット時(2007年度)。苫東厚真(とまとうあつま)火力、泊原子力など多数の発電所をもつ。

[橘川武郎]

『北海道電力株式会社編・刊『北のあかりを灯し続けて――北海道電力五十年の歩み』(2001)』『橘川武郎著『日本電力業発展のダイナミズム』(2004・名古屋大学出版会)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「北海道電力」の意味・わかりやすい解説

北海道電力
ほっかいどうでんりょく

電力会社。1951年電気事業再編成令により北海道配電と日本発送電の共同出資で設立。電力供給区域は北海道一円。炭産地に立地するため石炭火力の比重が高かったが,国内炭火力から輸入炭火力に移行した。1989年に北海道初の原子力発電所,泊発電所の 1号機が運転開始。また 2011年には同社初の大規模太陽光発電所,伊達ソーラー発電所が運転開始した。

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日本の企業がわかる事典2014-2015 「北海道電力」の解説

北海道電力

正式社名「北海道電力株式会社」。英文社名「Hokkaido Electric Power Company, Incorporated」。電力会社。昭和26年(1951)設立。本社は札幌市中央区大通東。電力会社。北海道全域が供給区域。原子力・石炭火力の比率が高い。東京証券取引所第1部・札幌証券取引所上場。証券コード9509。

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