在来種(読み)ざいらいしゅ

精選版 日本国語大辞典 「在来種」の意味・読み・例文・類語

ざいらい‐しゅ【在来種】

〘名〙 ある地方で、長年他の地方の品種と交配されず飼育または栽培されてきた品種。たとえば、柿では祇園坊広島)、会津身不知福島)など、馬では木曾馬長野)、御崎馬宮崎)など。在来品種。地方種。

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デジタル大辞泉 「在来種」の意味・読み・例文・類語

ざいらい‐しゅ【在来種】

動植物の品種のうち、ある地方の風土に適し、その地方で長年栽培または飼育されているもの。
[類語]しゅ絶滅種絶滅危惧種固有種外来種外来生物雑種交配種ハイブリッド

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改訂新版 世界大百科事典 「在来種」の意味・わかりやすい解説

在来種 (ざいらいしゅ)

もともとその地域に土着していた生物種のこと。この定義は必ずしも明確でなく,一般には歴史時代に入ってから,人類が外地から持ち込んだ生物種を導入種とか帰化生物といい,それ以前に土着した生物種を在来種という。しかし,近年では,たとえば新種雑草が持ち込まれた場合に,それ以前に土着していた雑草を在来種ともいう。セイヨウタンポポ帰化植物となってから,従来のカントウタンポポその他の在来種の分布域はしだいに狭くなっている。作物家畜では導入された乳牛ホルスタインに対して,肉役用の和牛は在来種ともいわれる。コムギは古くから日本に導入されて栽培されていた作物であるが,1900年以後の研究機関で育種が始まると,育成された新品種や外国からの導入母本に対して農家がすでに栽培していた品種を在来種とか在来品種,あるいは地方種ともいうようになった。農業上の在来品種にあたる英語は作物がlocal varietynative variety),家畜がlocal breed(native breed)である。
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