国民、厚生、共済の各年金制度に共通する1階部分の年金。20歳から60歳になるまでの40年間、保険料を納めた場合、満額(現在6万4875円)の老齢基礎年金が支給される。現行制度では40年を超えて年金保険料を納めても、基礎年金部分は原則、増額されない。受給するには最低25年の加入期間が必要だが、2015年10月に消費税が10%に引き上げられた場合、最低加入期間は10年に短縮される予定。
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二階建ての公的年金制度における一階部分の年金制度であって、定額で一律に支給される全国民共通の年金をいう。基礎年金には、社会保険方式と税方式(社会扶助方式ともいう)がある。社会保険方式は、社会保険料を主要財源として、一定期間の拠出を要件として年金を支給するもので、日本やイギリスが採用している。一方、税方式は、租税を財源として、一定期間の居住を要件として年金を支給するもので、デンマークやカナダなどが採用している。基礎年金は、一律平等に年金を支給するという普遍主義を基本理念としている。しかし、実際には、社会保険方式では、保険料未納期間がある場合には無年金になるとか年金が減額されるという問題がある。また税方式でも、所得制限が導入され、所得に応じて年金額の一部または全部が支給停止されることがある。なお、二階部分の年金は各国共通で、社会保険方式の報酬比例年金により、保険料拠出期間や在職時の報酬に応じて支給される。
日本の基礎年金は、1985年(昭和60)の公的年金制度改正により1986年4月から導入された。それまでは、民間企業労働者の厚生年金保険、公務員などの共済年金、自営業者などの国民年金というように縦割りに分立していたため、制度間で給付と負担の不均衡があった。改正では、国民年金の適用対象を被用者と被用者の妻(従来は任意加入)に拡大し、国民年金を全国民共通の基礎年金(老齢年金、障害年金、遺族年金の各基礎年金)を支給する制度に発展させた。これにより、一階部分の一元化(給付と負担の公平化)が実現するとともに、厚生年金保険と共済年金は基礎年金に上乗せする二階部分の年金制度として再編成された。基礎年金の財源は、各制度が被保険者数(第1号被保険者については保険料納付者、第2号被保険者については20歳以上60歳未満)に応じて負担する保険料負担と国庫負担によってまかなわれる。このうち国庫負担の割合は、当初は3分の1であったが、2004年(平成16)の改正により段階的に引き上げられ、2009年度以降2分の1となっている。
[山崎泰彦 2016年7月19日]
『吉原健二編著『新年金法――61年金改革 解説と資料』(1987・全国社会保険協会連合会)』▽『矢野朝水編著『新世紀の年金制度――2000年年金改正の軌跡』(2001・社会保険研究所)』▽『日本社会保障法学会編『所得保障法』(2001・法律文化社)』▽『吉原健二著『わが国の公的年金制度――その生い立ちと歩み』(2004・中央法規出版)』▽『日本社会保障法学会編『新・講座社会保障法1 これからの医療と年金』(2012・法律文化社)』▽『みずほ総合研究所編著『図解 年金のしくみ』第6版(2015・東洋経済新報社)』▽『『国民年金法総覧 平成28年4月版』(2016・社会保険研究所)』▽『『社会保険のてびき』『年金のてびき』『国民年金ハンドブック』各年版(社会保険研究所)』
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…第1は年金体系の再編成,第2は給付水準の見直しである。新制度では,国民年金が全国民に拡大適用され,だれにも共通な定額の基礎年金が支給される。給料生活者は,従来加入してきた厚生年金のうち,定額部分は国民年金に吸収され,報酬比例部分は従来どおり厚生年金から支払われる。…
※「基礎年金」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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