天竺浪人（読み）テンジクロウニン

デジタル大辞泉

てんじく‐ろうにん〔テンヂクラウニン〕【天^×竺浪人】

《「逐電ちくでん浪人」の「ちく」と「でん」を逆にした語の当て字という》住所不定で流浪する人。
「僕なんぞは―で駄法螺だぼらを吹いて」〈魯庵・社会百面相〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

てんじく‐ろうにんテンヂクラウニン【天竺浪人】

1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 ( 「天竺」は、「ちくでん（逐電）」の「ちく」と「でん」を逆にした語の当て字ともいう ) 一定の住所がなく、流浪する人。やどなし。浮浪人。
   1. [初出の実例]「あさましき物 一 てんぢくらうにん」(出典：仮名草子・犬枕（1606頃）)
2. [ 2 ] 平賀源内の戯号。
   1. [初出の実例]「爰に爪とらず髪ゆはず、朽葉衣に世をのがれたる人あり。自ら天竺(テンヂク)浪人と称す」(出典：談義本・根無草（1763‐69）前)

出典　精選版 日本国語大辞典

日本大百科全書(ニッポニカ)

天竺浪人
てんじくろうにん

→平賀源内

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)

世界大百科事典（旧版）内の天竺浪人の言及

【平賀源内】より

…江戸中期の博物学者，戯作者，浄瑠璃作者。名は国倫（くにとも），号は鳩渓，風来山人，福内鬼外（ふくうちきがい），天竺（てんじく）浪人など。高松藩の足軽の子。…

※「天竺浪人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」