政府がオセアニア地域の協力機構「太平洋諸島フォーラム(PIF)」加盟国首脳らを招き、環境や防災、海洋資源など地域が直面する課題を話し合う会議。1997年に始まり、3年ごとに日本で開いている。今回は8回目で、新たにPIFに加盟したフランス領のポリネシアとニューカレドニアの2地域が加わり、計16の島しょ国・地域が参加した。オーストラリアとニュージーランドの閣僚も出席。福島県いわき市での開催は前回2015年に続き2度目。
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日本が太平洋諸島フォーラム(Pacific Islands Forum:PIF)に加盟する島嶼(とうしょ)国や地域の代表を招き、3年ごとに開催する首脳会議。正式名称は日本・太平洋諸島フォーラム首脳会議、略称PALM。1997年(平成9)に第1回会議が東京で開かれ、日本、オーストラリア、ニュージーランドが主要援助国となり、フィジーをはじめとした島嶼国と地域が開発途上国として参加した。
1970年代、太平洋には多くの国家が誕生したが、これらの国々と日本の間には、太平洋を共有する国家や地域としての緊密な連携が生まれてこなかった。そこで日本は島嶼国の援助を通し、人的な交流や経済の振興、海域や地域の安定を図ることを目的とした太平洋・島サミットを開催した。日本は会議のたびに多くの支援策を打ち出している。
2012年5月に沖縄県名護市で開かれた第6回会議は、太平洋島嶼国13か国1地域、日本、オーストラリア、ニュージーランドに加え、アメリカが初参加(17か国1地域)し、「沖縄キズナ宣言」とする首脳宣言を採択した。宣言では、防災協力の面において日本主導で「自然災害リスク保険」を創設し、地震や津波に備えた早期警報システムの整備を支援するなどの新たな援助策が盛り込まれた。一方、この会議は、中国の海洋覇権の拡大がアジア太平洋地域で問題となるなか、アジア太平洋地域の連携を重視しているアメリカが初参加するという微妙な状況下での開催となった。会議では、海洋問題が初めて議題となり、漁業や環境保護の分野での協力関係、領海規定などにおける国際法や海洋ルールについて国連海洋法条約の重要性が確認された。
[編集部]
(竹田いさみ 獨協大学教授 / 2007年)
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(2015-5-25)
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