専守防衛(読み)センシュボウエイ(その他表記)exclusively defense-oriented policy

デジタル大辞泉 「専守防衛」の意味・読み・例文・類語

せんしゅ‐ぼうえい〔‐バウヱイ〕【専守防衛】

他国攻撃をしかけることなく、攻撃を受けたときにのみ武力を行使して、自国防衛すること。武力行使を禁じた日本国憲法下での自衛隊の主任務、性格についていう語。

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共同通信ニュース用語解説 「専守防衛」の解説

専守防衛

非核三原則と並び、憲法9条に基づき歴代内閣が基本としてきた防衛政策の理念相手から武力攻撃を受けた際に初めて防衛力を行使し、その態様や保持する防衛力は自衛のための必要最小限にとどめる受動的な姿勢を指す。政府は他国領域のミサイル基地などを破壊する反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有国家安全保障戦略明記。理念を逸脱するとの指摘があるが、岸田文雄首相は専守防衛の考え方に変更はないとしている。

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精選版 日本国語大辞典 「専守防衛」の意味・読み・例文・類語

せんしゅ‐ぼうえい‥バウヱイ【専守防衛】

  1. 〘 名詞 〙 相手側から攻撃を受けたとき初めて防衛力を行使し、武力行使は自衛のため必要最小限の範囲にとどめるとするもの。日本の現行憲法下での防衛戦略を示す語とされる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「専守防衛」の意味・わかりやすい解説

専守防衛
せんしゅぼうえい
exclusively defense-oriented policy

日本の防衛戦略の基本的姿勢を指す。その内容は「相手から武力攻撃を受けたとき初めて防衛力を行使し,その防衛力行使の態様も,自衛のための必要最低限度にとどめ,また保持する防衛力も自衛のための必要最低限度のものに限られる」とされている (1989年版『防衛白書』) 。こうしたきわめて受動的な防衛戦略は,日本の政治状況から生み出された独特の防衛構想であり,軍事的な合理性よりも,憲法問題など内政上の要請をより強く反映したものである。

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知恵蔵mini 「専守防衛」の解説

専守防衛

先制攻撃や自国領土外軍事活動を行わず、相手から攻撃を受けた時に初めて自衛力を行使すること。武力行使を禁じた日本国憲法に基づく、戦後日本の防衛戦略における根本姿勢であり、自衛隊の主任務・特質とされる。防衛白書(2014年版)では、攻撃に対する防衛のみ行うことに加え「その態様も自衛のための必要最小限にとどめ、また、保持する防衛力も自衛のための必要最小限のものに限る」としている。

(2015-5-29)

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四字熟語を知る辞典 「専守防衛」の解説

専守防衛

相手側から攻撃を受けたとき初めて防衛力を行使し、武力行使は自衛のため必要最小限の範囲にとどめるとするもの。

[使用例] 軍事に至っては、戦後ずっと専守防衛体制で来ている我が国は攻撃力も抑止力も持たないので、そもそも外交力になりえない[大前研一*民の見えざる手|2010]

[解説] 日本の現行憲法下での防衛戦略を示す語とされます。

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世界大百科事典(旧版)内の専守防衛の言及

【戦略・戦術】より

…攻勢戦略に対応するものが〈守勢戦略〉である。守勢戦略は,一般方針としては国土を守ることにあり,〈専守防衛〉などは守勢戦略の一形態である。守勢戦略は受動的ではあるが,地形を有効に利用し,準備に時間をかけることができるので,劣勢でもって優勢な敵と戦うことができる利点がある。…

※「専守防衛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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