専決処分(読み)センケツショブン

デジタル大辞泉 「専決処分」の意味・読み・例文・類語

せんけつ‐しょぶん【専決処分】

地方公共団体議会議決または決定すべき事項を、特定の場合に限り、地方公共団体の長が議会に代わって処理すること。

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精選版 日本国語大辞典 「専決処分」の意味・読み・例文・類語

せんけつ‐しょぶん【専決処分】

  1. 〘 名詞 〙 地方公共団体の議会が議決すべき事項を、地方公共団体の長が代わって処分すること。議会が成立しないときや、招集する暇のないときなどに行なう緊急専決処分と、軽易な事項で議会からの委任を受けて行なう委任専決処分とがある。
    1. [初出の実例]「前項の規定により専決処分をしたときは」(出典:地方自治法(1947)一八〇条)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「専決処分」の意味・わかりやすい解説

専決処分
せんけつしょぶん

地方公共団体の議会の権限に属する事項を、所定要件の下で、その地方公共団体の長が議会の議決を経ることなく決することのできる処分(地方自治法179条)。地方公共団体の長と議会との間の意見調整方法の一つである。長が専決処分をすることができる場合とは、議会が解散中など議会が成立しないとき、例外的な定足数を定めた地方自治法第113条但書の場合においてなお会議を開くことができないとき、長において議会を招集する暇がないと認めるとき、および議会において議決すべき事件を議決しないとき、である。専決処分をしたとき、長は次の議会においてこれを報告するとともに、その承認を求めなければならない。

 なお、議会の権限に属する軽易な事項で、その議決によりとくに指定したものについても、長は専決処分をすることができる(地方自治法180条)。その場合、長はこれを議会に報告する。

[福家俊朗]

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世界大百科事典(旧版)内の専決処分の言及

【首長制】より

…このような権限の遂行の多くは,議会の議決を必要とする。一方,首長は相互抑制の原則に基づき,議会に対し再議,専決処分,解散権を行使できる。再議とは,大統領制にみられる拒否権に類するものであり,(1)議会の議決した条例の制定・改廃もしくは予算に関する議決に異議のある時,(2)議会の議決がその権限を超えまたは法令・会議規則に違反すると認める時,(3)議会の議決が収入支出に関し執行不可能と認めるときにおいて,首長は理由を付して再議に付すことができる(地方自治法176,177条)。…

※「専決処分」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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