挙例の「気海観瀾広義」で「導体」、「導子」と訳されたのが最初。同書には「導体と不導体は正しく区別し難し」とも見え、「不導体」も用いられた。現在は、「導体」を「良導体」、「不導体」を「不良導体」ともいう。
静電気において金属など電気を通す物体の総称。普通、金属物体と考えてよい。導体を電界(電場)の中に置くと、導体上の電荷は電界から力を受けて移動を始める。この移動によって外の電界も変化する。この移動は、導体全体が等電位になるまで続く。導体の静電気的性質は、(1)導体はつねに等電位でその内部には電界は存在しない、(2)電荷は導体表面にのみ分布してその内部には存在しない、である。適当な形をした導体または導体系は電極として用いられる。これに適当な電位を与えることによって導体の周りの空間に必要とする性質をもつ電界をつくりだす。静電遮蔽(しゃへい)は導体の重要な応用例である。導体または導体系に電荷を与えると、導体の電位は導体に与えた電気量に比例して変化する。比例定数は導体の電位係数といい、導体の幾何学的形状のみで定まる。コンデンサーは二つの電極をもつ導体系で、各導体にQおよび-Qの電気量を与える場合である。電気量Qは電極間電圧Vに比例し、その比例定数をコンデンサーの電気容量という(Q=CV)。
[山口重雄]
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電気伝導率の大きな物質のこと.実用的には通電の目的で使用される導電材料をさす.通常は適当な強度をもち,耐食性もよく,価格も安い銅が多量に使用されている.銅の電気伝導率は銀につぎ,その比抵抗値は20 ℃ で1.6730 μΩ cm である.アルミニウムの比抵抗値は20 ℃ で2.6548 μΩ cm であるが,比重が銅の約1/3であり,価格の点からも,導電材料としての使用量が増大している.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…固有の研究領域としての電気学が成立したのは18世紀であるが,17世紀の間にO.vonゲーリケによって発明された摩擦起電機は,その後の電気研究を著しく進展させた。18世紀に入って第1の発見は,電気の導体の発見である。1729年イギリスのグレーStephen Gray(1666‐1736)は,摩擦された物体の軽い物を引きつける能力が,麻糸や金属を通して他の物体に伝えられることを見いだした。…
…室温での電気伝導度の大きさは,銅やアルミニウムなどの金属では105~106Ω-1・cm-1にも達するのに,ガラス,岩塩などでは10-15~10-17Ω-1・cm-1程度できわめて小さい。一般に電気伝導度の大きい物質を導体conductorといい,反対にきわめて小さいものを絶縁体insulatorと呼んでいる(導体,絶縁体の概念は熱伝導度についても用いられる)。ゲルマニウム,シリコンなどの半導体の電気伝導度は,不純物濃度によって一定しないが,おおよそ導体と半導体の中間の103~10-3Ω-1・cm-1程度の値をとる。…
※「導体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
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