川上三太郎(読み)カワカミ サンタロウ

20世紀日本人名事典 「川上三太郎」の解説

川上 三太郎
カワカミ サンタロウ

大正・昭和期の川柳作家



生年
明治24(1891)年1月3日

没年
昭和43(1968)年12月26日

出生地
東京日本橋区蠣殻町(現・東京都中央区)

本名
川上 幾次郎

学歴〔年〕
大倉商〔明治44年〕卒

主な受賞名〔年〕
川柳文化賞(第1回)〔昭和41年〕,紫綬褒章〔昭和41年〕

経歴
大正9年東京毎夕新聞社に入り、学芸部長などを務め、昭和2年退社。一方、13歳から川柳を作り、新川柳運動を起こした柳樽寺川柳会・井上剣花坊の門に入った。5年国民川柳会を結成、のち雑誌「川柳研究」を発刊して川柳の文学的地位向上をはかり、新聞・ラジオなどで川柳の社会普及に尽力した。41年第1回川柳文化賞を受賞。著書に「風」「孤独地蔵」「新川柳一万句集」「川柳滑稽句集」「おんな殿下」「川柳200年」など。評伝に「川柳人 川上三太郎」(河出書房新社)がある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「川上三太郎」の意味・わかりやすい解説

川上三太郎 (かわかみさんたろう)
生没年:1891-1968(明治24-昭和43)

川柳作者。東京生れ。本名幾次郎。1910年大倉商業卒業後,商事会社に入り天津に勤務。13年帰国と同時に川柳活動に入り井上剣花坊の柳樽寺川柳会に加入。当時まだ新風の少ない川柳に嫌気がさしたが,吉川英治(柳名,雉子郎)に〈あの壁を僕らで破るのだ〉といわれ,川柳に一生を賭ける決意をする。29年《国民新聞》の選者となり国民川柳会を結成,34年に現在の川柳研究社改名以後詩性派と伝統派の接点として後進育成に努める。50年には《読売新聞》の選者となり,66年川柳家として初めて紫綬褒章を受章した。〈友だちのうしろ姿の有難味〉や〈子供は風の子天の子地の子〉などが代表作。
執筆者:

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「川上三太郎」の意味・わかりやすい解説

川上三太郎
かわかみさんたろう
(1891―1968)

川柳(せんりゅう)作家。前名幾次郎。別号蒼蒼亭(そうそうてい)、S・S・T。東京・日本橋に生まれる。大倉商業学校卒業。井上剣花坊(いのうえけんかぼう)に師事。雑誌『川柳研究』を発行。純詩性川柳、連作川柳など純文学的な川柳を発表する一方で、新聞による時事川柳、家庭雑誌による家庭川柳、ラジオ放送による川柳選評、漫画やコントによる川柳鑑賞など、大衆的な川柳を広めることにも努め、多くの後進を育てた。句集『孤独地蔵』(1963)など。紫綬(しじゅ)褒章受章。

[岩田秀行]

 旧友の顔の中なる幼な顔

『渡邊蓮夫編『川柳全集5 川上三太郎』(1980・構造社出版)』

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百科事典マイペディア 「川上三太郎」の意味・わかりやすい解説

川上三太郎【かわかみさんたろう】

川柳作家。東京生れ。井上剣花坊の門下。1929年《国民新聞》の川柳選者となり,川柳研究社を主宰して江戸川柳に新風を吹き込んだ。以後も新聞・雑誌の選者として活躍,後進の育成に努めた。著書に《新川柳大観》,自選句集《風》等がある。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「川上三太郎」の解説

川上三太郎 かわかみ-さんたろう

1891-1968 大正-昭和時代の川柳作家。
明治24年1月3日生まれ。井上剣花坊に師事する。昭和9年雑誌「川柳研究」を発刊。詩性川柳を追求する一方で伝統川柳も発表。また新聞,雑誌,ラジオなどで川柳の普及につとめた。昭和43年12月26日死去。77歳。東京出身。大倉商業(現東京経済大)卒。本名は幾次郎。別号に蒼蒼亭,S・S・T。句集に「孤独地蔵」「風」など。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「川上三太郎」の意味・わかりやすい解説

川上三太郎
かわかみさんたろう

[生]1891.1.3. 東京
[没]1968.12.26. 東京
川柳作家。本名,幾次郎。大倉商業学校卒業。井上剣花坊に師事し,詩としての川柳の発展に貢献した。句集『孤独地蔵』 (1963) ,『川柳二〇〇年』 (66) などの著書がある。

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367日誕生日大事典 「川上三太郎」の解説

川上 三太郎 (かわかみ さんたろう)

生年月日:1891年1月3日
大正時代;昭和時代の川柳作家
1968年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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