出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…経済体制を資本主義と社会主義とに大別すると,経済運営のしくみとして,資本主義は市場機構を用い,社会主義は計画機構を用いる。この意味で,資本主義の経済を市場経済と呼び,社会主義の経済を計画経済と呼ぶ。経済計画とは,国家が一定の目的をもって全体としての経済活動を意図的に制御しようとする試みであって,社会主義においては経済計画が不可欠である。…
…現在の先進資本主義国は,共産主義国の計画経済に対し,市場機構に頼る市場経済が中心となっている。市場経済においては,家計・企業などがそれぞれの経済的利益を追求して,市場経済全体は計画的ではなく,分権的に運営されることとなる。…
… しかし物的生産を行う資本というだけでは十分ではない。産業資本の成立およびその活動は発達した商品経済(市場経済)を前提とする。古代や中世において社会的には部分的にしか行われていなかった商品経済は15~16世紀以後急速な発達を遂げ,都市はもとより農村にも深く浸透していった。…
…近代以後の資本主義を古代や中世の資本主義と区別してとくに近代資本主義とよぶことがあるが,むしろ一般に資本主義というと,この近代以後の資本主義のことをさしている。
[資本主義と市場経済]
資本主義経済においては,生産活動も生産の必要そのもののためになされるのではなく,利潤の獲得のためになされる。資本主義の生産方法は,資本の所有者(資本家)が,それを投下して生産に必要な原料・機械そのほかの諸手段を購入するとともに,賃金を払って労働者(賃労働者)を雇用し,工場・職場で財・サービスを生産させ,それらを商品として販売することによって利潤を獲得する,つまり資本による営利の企業活動として行われる。…
… 彼によると,人間の経済は,物的な欲求を満たすための人間とその環境のあいだでの相互作用が,社会的に制度化された過程である。一般に経済は社会の中に〈埋め込ま〉れていたのであり,それゆえ産業革命を経て〈自己調整的システム〉として成立した市場経済はむしろきわめて特殊な経済であった。ここから彼は,希少性と最大化という市場経済的枠組みを普遍的なものとみなす新古典派流の形式的な経済分析を批判し,制度化された過程として経済をとらえる実体的な経済分析を主張した。…
… 旧体制の否定(=体制転換の必要性)ということは抽象レベルでの原則としては大多数の人によって共通に確認されているが,問題はそれで終わるのではなく,むしろそれを出発点とした具体化の過程で,種々の利害対立が生まれている。例えば,〈市場経済化〉という原則では多くの人が一致しても,それをどのように進めるかは,旧国営企業の経営者,新興私企業の経営者,労働者,年金生活者,失業者,農民などにそれぞれに異なった利害をもたらす。そして,その利害調整のルールがいまだ形成途上であるため,利害そのものをめぐる対立とルール形成をめぐる対立とが重なり合って,激しい対抗関係が生じる。…
※「市場経済」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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