デジタル大辞泉 「放射能」の意味・読み・例文・類語
ほうしゃ‐のう〔ハウシヤ‐〕【放射能】
[補説]一般的には、「放射能を浴びる」「放射能漏れ」のように、放射線や放射性物質の意味と混同して用いられることが多い。物理学的には、放射能は原子核の性質、放射線は放射性核種が放出する高エネルギーの粒子または電磁波、放射性物質は放射線を放つ物質を意味し、それぞれ明確に区別される。
[類語]放射線・宇宙線・赤外線・熱線・遠赤外線・紫外線・可視光線・アルファ線・ベータ線・ガンマ線・エックス線・レントゲン線
原子核が放射線を放出して、より安定な原子核へと自発的に壊変(崩壊)する性質を放射能という。放射能と放射線とはよく混同して使われるが、放射能は原子核のもつ性質であり、放射線は放射性原子核から放出される粒子あるいは電磁波のことである。たとえば、ラジウムは放射能をもっており、放射線の一種であるα(アルファ)線を放出してラドンになる。
[市川富士夫]
真空にしたガラス管の中で放電させるとガラス管が発光することは昔から知られていた。その原因は陰極から放出されるなにかによるものと推定され、それを陰極線と称して種々の研究がなされていた。
1895年、ドイツの物理学者レントゲンは陰極線の研究をしているとき、真空にしたガラス管の近くに偶然置いてあったシアン化白金酸バリウムという物質が、ガラス管の中で放電が起こると蛍光を発することを発見した。レントゲンはガラス管から未知の光が放出されていると考え、この光をX線と名づけた。陰極線は陰極物質から放出した電子の流れであり、X線はこの電子がガラスに衝突して発生した電磁波の一種である。つまり、X線は放射線であるが、放電現象に伴って発生するもので、放射能ではない。
放射能を最初に発見したのはフランスのベックレルである。1896年、日光にさらしたウラン化合物を黒い紙に包んで写真乾板上に置いたところ乾板に感光がみられた。よく調べてみると、ウランの化合物は光にあてなくとも乾板を感光する透過線を出し、しかも、ウランが含まれていれば、どんな化合物でも、金属でも、溶液でも、同じ作用があり、その強さはウランの量に比例することがわかった。ベックレルはこれをウラン線とよんだが、同様の現象がトリウムでもおこることが、まもなくフランスのキュリー夫人により発見された。またキュリー夫妻らは、ウラン鉱石から強い感光作用を有する物質を抽出し、放射性元素であるポロニウムとラジウムを発見した。1898年、キュリー夫妻はこれらの研究結果から、ベックレルの発見した透過線(ウラン線)はウラン原子から出ているという結論に達し、この透過線をベックレル線とよび、この現象を放射能radioactivitéと名づけた(ラテン語の輻射(ふくしゃ)radiusとフランス語の能力activitéからの造語)。現在はベックレル線を放射線とよんでいる。1899年、イギリスのE・ラザフォードは検電器を使ってラジウムの放射能を研究し、α線とβ線(ベータせん)を発見した。さらに1906年にはγ(ガンマ)線の存在が確認され、放射能が主としてこの3種の放射線で特徴づけられることが明らかになった。
α線はヘリウムの原子核で、正電荷をもち、わずか100分の数ミリメートルの厚さのアルミニウム箔(はく)で吸収され、空気中でも数センチメートルしか飛ばない。β線は電子で、負電荷をもつが、陽電子を放出する場合もある。β線は数ミリメートルの厚さのアルミニウム箔で吸収される。γ線は電磁波で透過力が強い。原子核の壊変の際には、それぞれ固有のエネルギーをもつ放射線を放出する。1913年、イギリスのソディとポーランド(のちアメリカ)のファヤンスは次のような放射性壊変の変位則を発見した。α壊変(α崩壊)では原子番号が二つ減り質量数が四つ減るが、β壊変(β崩壊)の場合は、陰電子放出か陽電子放出かでそれぞれ原子番号のみ一つ増減する。γ壊変(γ崩壊)では変化はない。
放射能のもう一つの特徴は半減期である。放射能の強さがもとの半分になるまでの時間を半減期といい、それぞれの壊変に固有の値をもっている。半減期の10倍の時間がたつと、放射能は約1000分の1になる。放射能の強さは同じでも、放射性物質の量は半減期の長いほど多い。たとえば、半減期が1620年のラジウム226の1キュリーは正確には1.024グラムであるが、半減期が139億年のトリウムの1キュリーは約8.8トンにもなる。
[市川富士夫]
放射能の強さを表す単位は、国際単位系(SI)ではベクレル(Bq)である。1ベクレルは1秒間に1個の放射性核種が壊変して別の核種になることをいう。この単位は前述のベックレルにちなんでつけられた。ベクレルは小さな単位なので、結果的に大きな数値を扱うことになる場合が多い。これに対して、以前から使用されてきたのはキュリー(Ci)という単位である。これは、1グラムのラジウムと平衡にあるラドンの量を表すものであったが、1秒間に370億回の壊変をする放射能の強さと定義されている。この名称は、前述のキュリー夫妻にちなんだものである。大きな単位なので、ミリ、マイクロ、ピコのような接頭語をつける場合が多い。ベクレルに変更になった理由の一つは、370という半端な数がついているので換算上不便だからともいわれている。
ベクレルは絶対単位のdpsという単位と等しい。dpsはdisintegration per secondの略である。これに対し、cpmという単位が新聞などで慣用的に使われることがあった。これは、count per minuteの略で、生(なま)の測定値のことである。したがって、測定器や測定条件により異なる値となる。cpmを略して単にカウントという場合もあるが、不正確な表現である。放射能に関連しては、吸収線量の単位グレイ(Gy)、被曝(ひばく)線量の単位シーベルト(Sv)がある。
[市川富士夫]
天然の放射性核種としては、(1)地球上に昔から存在する長寿命の核種とその放射性系列、(2)現在でも天然の核反応により生成し続けている核種、の二つがある。(1)のうち系列をつくらないものは、カリウム40、ルビジウム87、サマリウム147など11種が知られている。いずれも10億年以上の半減期である。放射性系列をつくるものは、トリウム232(トリウム系列)、ウラン235(アクチニウム系列)、ウラン238(ウラン系列)である。これらの系列は、α線とβ線を何回も出して壊変し、最後は安定な鉛の同位体になる。その間に全部で45の放射性核種が知られている。なお、このほかにネプツニウム系列があるが、天然には存在しない。
(2)では宇宙線と大気成分(酸素、窒素、アルゴン)との核反応によるものが多い。トリチウム、ベリリウム7、ベリリウム10、炭素14、塩素36などがそうである。宇宙線そのものは陽子、中性子、中間子などから構成されており、天然放射能の一部と考えることもできる。地球の赤道上空には、高度3600キロメートルと1万8000キロメートルに極大をもつ放射能の強い空間があり、バン・アレン帯とよばれる。内帯は緯度30度まで、外帯は緯度60度まで南北に広がっている。この放射能帯は、地球の磁場(磁界)により捕捉(ほそく)された高エネルギーの電子と陽子からなり、字宙飛行の際の被曝源となる。地球上の天然放射能の分布をみると、大気中には気体状のラドンとトロンおよびそれらの壊変生成物がある。これらはウランやトリウムを含む岩石や土から放散してきたものである。岩石、土壌にはウラン、トリウムとその系列の娘核種(放射性核種が放射性壊変することによって新しく生成された核種)、およびカリウム40が広く分布している。ウランとトリウムの量は一般に堆積岩より火成岩のほうが多い。戸外での天然放射能の強さは地質により異なり、ブラジルやインドにはかなりバックグラウンドの高い(自然放射能の強い)地方がある。日本では東日本より西日本のほうが花崗(かこう)岩の分布が広がっており、バックグラウンドが高い。温泉のなかには放射能泉と称してラジウムなどを含有しているものがある。玉川温泉(秋田県)、増富温泉(ますとみおんせん)(山梨県)、三朝温泉(みささおんせん)(鳥取県)などは有名である。陸水圏での天然放射能は少なく、かつ地域差があるが、海水には低濃度ながらウランが均一に存在しており、資源的に注目されている。人体にも約0.1マイクロキュリーのカリウム40が存在する。
[市川富士夫]
人類の生活環境における放射能を不必要に増加させることは、身体的にも遺伝的にも好ましいことではない。人工放射能による最大の汚染源は核兵器実験による「死の灰」の大量放出である。このなかにはストロンチウム90、セシウム137、炭素14のように、半減期が長く、人体に有害な放射性物質が含まれている。大気中あるいは地表で爆発がおこると、その地域だけでなく、放射性「灰」が上空に吹き上がり、ジェット気流にのって広く運ばれる。一部は成層圏にまで達する。これらはしだいに降下して地表を汚染する。降雨があると、大気中に浮遊していた「灰」が洗い流され放射能雨となる。このように、核兵器の爆発に起因して大気中に放出され、地表に降ってくる放射性降下物のことをフォール・アウトという。1961年以降アメリカ、ソ連、イギリスの核実験は地下で行われるようになり、新たな汚染源は減少した。
原子力発電施設からの人工放射能による環境汚染が重大な問題になっている。旧ソ連(現、ウクライナ共和国)のチェルノブイリ原子力発電所で1986年4月26日に発生した原子炉の出力暴走による爆発事故は、大量の放射性物質を環境に放出した。その量は放射性希ガスが原子炉内蓄積量の100%、ヨウ素131が50~60%、セシウム137が20~40%に達しており、燃料のプルトニウムも大量に放出されている。当時の風向によりこれらの大半がベラルーシ共和国に落下した。そのため、この地方で小児の甲状腺癌(こうじょうせんがん)の増加が報告されている。また、1979年3月28日アメリカのスリー・マイル島原子力発電所の冷却材喪失事故でも、放射性希ガスやヨウ素131が放出された。日本においても、2011年(平成23)3月に発生した福島第一原子力発電所事故で、大量の放射性物質が放出された。
原子力関係の化学処理施設(プルトニウム回収のための再処理施設)の事故による環境汚染も報告されている。たとえば、1993年ロシア共和国のトムスクにある再処理施設の爆発により、周辺の山林や農地が汚染され耕作や立入りが禁止された。また、イギリスのカンブリア県・セラフィールドの再処理施設における排水の管理ミスにより放射性廃液が海に放出され、海岸が汚染された。
原子力発電の増加は、大量の高レベル放射性廃棄物の処分を必要とする。現状では深地層への永久処分が計画されているが、技術的にも社会的にも検討すべき課題が多い。
[市川富士夫]
生物の放射線に対する感受性は生物の種類により著しく異なる。一定時間に生物の半数が死亡する放射線量(半致死線量)は人間に比べて植物や原生動物は2桁(けた)大きい。ある種の細菌は原子炉の水の中でも繁殖するという。大ざっぱにいえば、細胞中のDNA(デオキシリボ核酸)の量が多い生物ほど放射線に対する感受性が大きい。つまり、人間は放射線に弱い生物といえる。
放射線の生物に対する影響には種々の段階が考えられている。
(1)放射線のエネルギーによる生体分子のイオン化や励起
(2)イオンや励起分子からの、反応性の高いフリーラジカルの生成
(3)フリーラジカルの反応による、通常の生体中にない異常分子の生成
(4)異常物質の生成による細胞の構成、機能の変化、代謝系の変化
(5)細胞構造の変化、細胞分裂の変調、低下、生体機能の障害
このように、段階の進行に伴い影響は増幅される。しかし、一方では修復機能も働くので、回復するケースもある。
生物の放射線による影響は生体の外部からの被曝だけでなく、生物体内に放射性物質が進入して照射源となることもある。生物は外部から放射性物質を吸収、呼吸、飲食、接触などにより摂取する。その際、生体構成元素あるいは化学的性質が生体構成元素に類似する元素は体内に残留しやすい。
体内に摂取した放射性核種の量が生物の代謝や排泄(はいせつ)により半減する時間を生物学的半減期という。ラジオ・アイソトープ(放射性同位体)に固有の物理的半減期と生物学的半減期とから、生物の内部汚染核種に関する実効半減期(有効半減期)が算出される。たとえば、プルトニウム239の物理的半減期は2万4110年であるが、人間の骨での生物学的半減期は200年なので、実効半減期は198年と計算される。いずれにしても、人間の寿命から考えれば、一生なくならないに等しい。
人体の臓器、組織、器官の放射線感受性は、細胞分裂の頻度が高く、将来行うであろう細胞分裂数が多く、形態および機能の未分化な細胞ほど高いことが知られている。具体的には、リンパ組織、造血組織(骨髄(こつずい)、胸腺(きょうせん)、脾臓(ひぞう))、生殖腺(卵巣、精巣)および粘膜がとくに感受性が高い。
放射性核種別に問題となる臓器、組織は以下のとおりである。
(1)体組織全般 トリチウム(水素3)、炭素14
(2)全身 ナトリウム22、コバルト60、亜鉛15、セシウム137
(3)骨 リン32、ストロンチウム89、90、バリウム140、ラジウム226、プルトニウム239
(4)精巣 硫黄35
(5)甲状腺 ヨウ素131
(6)腎臓 ウラン238
放射能の生物への利用が種々の分野でなされている。たとえば、腫瘍(しゅよう)に集まりやすい化合物を放射性核種で標識化して投与し、全身の放射能分布を測定することにより癌の有無や大きさ、位置を診断することができる。放射線による突然変異を利用する生物の品種改良、放射線照射によるジャガイモの発芽抑制などがなされている。
[市川富士夫]
『西尾成子編『放射能』(1970・東海大学出版会)』▽『A・D・ジモン著、藤森夏樹訳『放射能汚染と除去の物理化学』(1979・現代工学社)』▽『新山信太郎著『これだけは知っておきたいレントゲンと放射線の知識』(1986・竹内書店新社)』▽『近藤駿介著、エネルギーレビュー編『やさしい原子力Q&A――そのしくみと安全性、チェルノブイリ、各種新型炉、核融合』(1987・山下出版)』▽『市川龍資著『暮らしの放射線学』改訂新版(1988・電力新報社)』▽『山口彦之著『放射線と人間のからだ――基礎放射線生物学』(1990・啓学出版)』▽『草間朋子著『放射能 見えない危険』(1990・読売新聞社)』▽『森茂康著『暮らしのなかの放射能』(1991・西日本新聞社)』▽『小出裕章著『放射能汚染の現実を超えて』(1992・北斗出版)』▽『コルネリウス・ケラー著、岸川俊明訳『放射化学の基礎』(1994・現代工学社)』▽『イーヴァン・G・ドゥラガーニックほか著、松浦辰男ほか訳『放射線と放射能 宇宙・地球環境におけるその存在と働き』(1996・学会出版センター)』▽『尾内能夫著『ラジウム物語――放射線とがん治療』(1998・日本出版サービス)』▽『今中哲二編『チェルノブイリ事故による放射能災害――国際共同研究報告書』(1998・技術と人間)』▽『渡利一夫・稲葉次郎編、今井靖子ほか著『放射能と人体――くらしの中の放射線』(1999・研成社)』▽『杉浦紳之著『放射線生物学』改訂新版(2001・通商産業研究社)』▽『日本アイソトープ協会編『アイソトープ手帳』10版(2002・丸善)』▽『村松康行・土居雅広・吉田聡編『放射線と地球環境――生態系への影響を考える』(2003・研成社)』▽『野口邦和著『放射能のはなし』(新日本出版社・新日本新書)』▽『佐藤満彦著『“放射能”は怖いのか――放射線生物学の基礎』(文春新書)』
元来は,自然に放射線を出す現象に対して,M.キュリーによって提唱されたことば。不安定な原子核が放射性崩壊をするときにα線,β線あるいはγ線を放出する性質を指すが,さらに広く,このような放射性の核種のことを意味することも多く,また,一般には物質が放射性の核種を含むときに,その物質は放射能をもつといういい方もされる。放射能はその成立ちから,自然に存在する天然放射能と人為的に作られた人工放射能に区分される。天然放射能の代表的なものは,ウラン系列,アクチニウム系列,そしてトリウム系列の放射性崩壊系列に属する鉛より重い元素で,α崩壊とβ崩壊を繰り返し,鉛の安定な同位元素まで達する。これは各系列の親である238U,235U,そして232Thが非常に長寿命(~109年)であるために,宇宙の長い歴史を経た今日も生きながらえていることによる。また,これらの系列に属さない長寿命の放射性同位元素としては40Kなどがあり,γ線などの放射線計測の際には,これらの天然放射能の放出するγ線がバックグラウンドとして観測されることが多い。比較的短寿命ではあるが,宇宙線による核反応でつねに生成されている天然放射能もわずかながら存在する。このような例として大気中の窒素から14N+p→14C+nの反応で作られる炭素14は年代測定に利用されることで知られている(pは陽子,nは中性子を表す)。
人工放射能は歴史的にはジョリオ・キュリー夫妻により1934年にα線による原子核破壊の実験で発見されたのが最初である。今日では,原子炉や粒子加速器を用いて,核分裂生成物,核反応生成物として作られ,反応粒子の組合せで,ほぼすべての元素にわたり多くの放射性同位体が見つかっている。これらの寿命は広い範囲に分布しており,放射線利用やトレーサーとしての実用目的のために,放射性核種を製造することも行われるようになっている。人工放射能として,自然界には存在しない,ウランより重い元素(超ウラン元素)も次々と合成された。
放射能を検出するには,放射線計測による。特性のγ線などの放射線を検出することで,放射性核種の同定も可能であることが多い。また放射能の強さは単位時間中に起こる崩壊数で表し,キュリー(1Ci=3.71×1010/s)を単位とする。放射能は時間とともに指数関数的に減少する特徴をもち,その依存性をe⁻λtと書いたとき,λを崩壊定数と呼び,各放射性核種で固有に決まった値をもつ。λと半減期とは反比例の関係にある。大量の放射能はその放出する放射線のために,人体などへの放射線障害の原因ともなりうるので,それによる汚染が起きる場合は社会的影響も大きい。また,核爆発に伴って作られる分裂生成分は多種の放射能を含み,フォールアウトとして,あるいは大気汚染の原因となり大きな問題である。
→放射性崩壊 →放射線
執筆者:山崎 敏光
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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放射性核種が自発的に放射線を放出する性質.ときには放射性核種が単位時間に崩壊する数(ベクレル Bq を単位とする)をさすこともある.1896年,A.H. Becquerel(ベクレル)は硫酸ウラニルカリウムの性質の研究中に,その結晶から透過力のある放射線が出ていて写真乾板を感光させることを偶然発見した.1898年,P. Curie(キュリー)とM. Curie(キュリー(スクワドフスカ))夫妻は,この放射線が元素に固有のもので,元素の化学的物理的状態によらないと結論して,この性質を放射能と命名した.放射性物質単位質量当たりの放射能を比放射能(Bq/kg,Ci/g)という.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…その結果,放射線の放出がウラン原子そのものの性質であるというベクレルの発見を確証する一方,トリウムもウラン同様に放射線を放出することを見いだした。自然に放射線を放出するこれらの現象に対して,〈放射能〉ということばを提唱した。天然鉱石の放射能を調べる中で,強い放射能をもつ未知の元素の存在を予測し,98年,ピエールとの協同でウランの原鉱石ピッチブレンド中に新元素を発見し,その一つを祖国ポーランドにちなんでポロニウム,もう一つをラジウムと名づけて発表した。…
…核分裂生成物の原子核は不安定で,放射線を出して安定な状態になろうとする。放射線を出す性質や能力は放射能とよばれる。したがって核分裂エネルギーを利用するためには,この放射能の強い核分裂生成物の介在を不可欠とする。…
※「放射能」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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