日本スポーツ振興センター(読み)ニホンスポーツシンコウセンター

デジタル大辞泉 の解説

にほん‐スポーツしんこうセンター【日本スポーツ振興センター】

スポーツの振興と児童生徒の健康保持増進を図るための中核的専門機関として平成15年(2003)に設立された文部科学省所管の独立行政法人国立競技場ナショナルトレーニングセンター管理ほかtoto運営販売等も行う。JSC(Japan Sport Council)。

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共同通信ニュース用語解説 の解説

日本スポーツ振興センター

スポーツ振興や児童生徒の健康増進を目的に設立された文部科学省所管の独立行政法人。略称はJSC。トップ選手の強化拠点である味の素ナショナルトレーニングセンターや国立代々木競技場秩父宮ラグビー場の管理を行う。スポーツ振興くじ(サッカーくじ)も運営。2020年東京五輪・パラリンピックのメーンスタジアムとなる新国立競技場の整備ではデザインの公募や、設計、施行を担う業者の選定も行う。

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日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

日本スポーツ振興センター
にほんすぽーつしんこうせんたー

日本のスポーツの振興にかかわるさまざまな事業を行う独立行政法人。前身特殊法人日本体育・学校健康センター(1986年3月設立)で、特殊法人等の整理合理化計画に伴い、独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)および独立行政法人日本スポーツ振興センター法(平成14年法律第162号)に基づいて、2003年(平成15)10月1日に設立された。本部と全国6支所からなり、英文法人名はJapan Sport Council(略称JSC)で、旧称はNational Agency for the Advancement of Sports and Health(NAASH(ナッシュ))。

 同センターの目的は、「スポーツの振興と児童生徒等の健康の保持増進を図るため、その設置するスポーツ施設の適切かつ効率的な運営、スポーツの振興のために必要な援助、学校の管理下における児童生徒等の災害に関する必要な給付その他スポーツ及び児童生徒等の健康の保持増進に関する調査研究並びに資料の収集及び提供等を行い、国民の心身の健全な発達に寄与する」ことにある。また、同センターは、スポーツ振興基本計画ならびに学校安全、学校給食および災害共済給付などに関する国の施策の方針に基づき、文部科学省との密接な連携・協力の下、各業務の適正かつ円滑な実施に努めている。

 同センターが中核的・専門的機関として行うおもな事業は以下のとおりである。

(1)国立競技場の運営およびスポーツの普及・振興に関する業務 「トップレベルの競技者等の活動の場」、広く国民の「見るスポーツの場」として、設備の整った国際的なスタジアムを各大会に提供している。

(2)スポーツ科学・医学・情報研究業務 国立スポーツ科学センター(JISS)において、「オリンピック等でのメダル倍増」という政策目標を達成するために、日本オリンピック委員会、競技団体、スポーツ研究機関等と連携して調査・研究を進め、その成果を踏まえて、日本のトップレベルの競技者やチームの国際競技力の向上を支援している。

(3)ナショナルトレーニングセンター(NTC)の管理・運営業務 競技別の専用練習場である「屋内トレーニングセンター」、「屋内テニスコート」、「陸上トレーニング場」および宿泊施設の「アスリート・ヴィレッジ」を備え、日本のトップレベル競技者のトレーニング施設として、その強化に貢献している。

(4)登山に関する指導者養成および調査研究業務 国立登山研修所が2009年4月文部科学省から移管、指導者養成のための研修訓練や、登山に関する調査研究を行い、登山事故の防止に努めている。

(5)スポーツ振興事業部 日本の国際競技力向上、地域のスポーツ環境整備充実といったスポーツの普及・振興のため、政府出資金と民間からの寄付金を原資とした「スポーツ振興基金」の運用益と「スポーツ振興くじtoto(トト)」の収益等により、スポーツ振興のための助成業務を行っている。また、「スポーツ振興投票の実施等に関する法律(平成10年法律第63号)」に基づき、スポーツ振興投票の対象となる試合の指定、スポーツ振興投票券の販売、試合結果に基づく当選金の確定および払い戻し業務等を行っている。

(6)災害共済給付および学校安全支援業務 学校の管理下における児童生徒等の災害に対して、災害共済給付(医療費、障害見舞金または死亡見舞金の支給)を行っている。また、学校安全(安全教育、安全管理)の普及に関する業務や、学校における児童生徒等の健康の保持増進に関する調査研究、資料の収集、提供に関する業務を実施している。

 同センターが行っている、各施設間のネットワーク化による総合インフォメーションの提供は、広範囲にわたる情報の共有化を促進するものである。これにより、トップアスリートだけでなく、一般市民にとっても運動・スポーツ施設利用の利便性が高まり、運動やスポーツをより身近なものとしてとらえることができるため、一般の競技人口のいっそうの増加や、選手層の全体的なレベルアップにつながることが期待できる。また、スポーツのみならず、児童・生徒の体力低下の問題と食習慣との関連性を検証するとともに、健康の保持増進にかかわる調査研究の成果を開示し、効果的な情報を提供することは、将来の国民全体の健康生活水準を向上させるうえで大きな意義をもっている。

[清水紀人]

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