共同通信ニュース用語解説 「日本航空」の解説
日本航空
全日本空輸と並ぶ国内航空大手で、東京都品川区に本社を置く。世界的な不況の影響で、2010年に会社更生法の適用を申請して経営破綻。12年に東京証券取引所に再上場した。1985年8月12日に乗客乗員524人を乗せた日航123便ジャンボ機が群馬県上野村の「御巣鷹の尾根」に墜落し、520人が死亡した。
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全日本空輸と並ぶ国内航空大手で、東京都品川区に本社を置く。世界的な不況の影響で、2010年に会社更生法の適用を申請して経営破綻。12年に東京証券取引所に再上場した。1985年8月12日に乗客乗員524人を乗せた日航123便ジャンボ機が群馬県上野村の「御巣鷹の尾根」に墜落し、520人が死亡した。
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日本の航空会社。持株会社の日本航空Japan Airlines Corporationと、国際線と国内線を運航する航空運送事業会社の日本航空インターナショナルJapan Airlines International Co.,Ltd.よりなり、多くの関連会社を含めてJAL(ジャル)グループを形成する。2008年(平成20)時点で、日本航空の資本金2510億円、従業員数10人。日本航空インターナショナルの資本金1000億円、従業員数1万6671人。
1951年(昭和26)国内航空運送事業令によって設立された日本航空(旧、日本航空)が前身。当初ノースウェスト航空に委託運航していたが、翌年10月から自主運航を開始、1953年10月に日本航空株式会社法(日航法)に基づき、当時としては日本唯一の国際定期航空会社として設立された特殊法人に全営業を継承した。1954年にサンフランシスコ線を開設したのち、先発の海外航空会社との厳しい競争のなかで路線と便数の拡充に努め、1955年以降東南アジア線、太平洋線、ヨーロッパ線、1967年には世界一周線、さらにモスクワ線、日中路線など相次ぎ開設し世界的航空網を形成。この間1960年にDC‐8をサンフランシスコ線に就航させたのをはじめ、国際線、国内線のジェット機化を進め、1970年にはジャンボジェット機ボーイング747を採用して航空機の大型化を図った。1965年には団体海外旅行ジャルパックを発売して海外旅行の大衆化を急速に進展させた。
その後、規制緩和の流れを受けて、1987年9月に日航法が廃止され、同年11月には完全民営化された。航空関連業務を中心に経営を多角化、日本トランスオーシャン航空(JTA、1967)、日本アジア航空(JAA、1975)、空港宅配サービスのエイビーシースカイパートナーズ(ABC、1977)、航空運送事業のJALウェイズ(JALways、1990)、JALエクスプレス(JEX、1997)などを設立し、JALグループを形成した。
2002年10月、日本エアシステムと持株会社「日本航空システム」(資本金1000億円)を設立し、その傘下に入る。2004年日本エアシステムと完全統合。同時に日本航空は国際線を運航する日本航空インターナショナルに、日本エアシステムは国内線を運航する日本航空ジャパンにそれぞれ名称を変更した。また、同年6月に持株会社の日本航空システムも名称を日本航空に変更した。2006年には日本航空インターナショナルと日本航空ジャパンを統合、社名を日本航空インターナショナルとした。
2007年度の旅客輸送実績は国際線1336万7904人、国内線4190万4924人、売上高(グループ連結)2兆2304億円、従業員数(グループ連結)5万1497人。2008年6月時点で、国内線は60空港154路線に就航、国際線は34か国・地域に乗り入れ、156空港283路線(旅客便246、貨物便37)に就航、所有機数は166機。
[中村清司]
国内1位の航空会社であったが、2001年に起きたアメリカ同時多発テロ、2008年の世界金融危機、また、感染症の流行(重症急性呼吸器症候群(SARS(サーズ))や豚インフルエンザ)などによる国際線需要の低下や燃油価格の高騰、さらにはリストラクチャリングへの取り組みの遅れ、たび重なる運行トラブルによる信用の低下が加わり経営が悪化した。政府の要請に従い就航した採算のとれない路線を多く抱えていたことも赤字拡大の背景にある。2010年1月に会社更生法適用の申請を行い、企業再生支援機構の支援を受けることになり、同年2月には東京・大阪・名古屋証券取引所第一部における上場廃止。12月、管財人による更生計画に基づいて機構から3500億円の出資を受け、再建を開始した。翌2011年3月、更生債権等を弁済し、裁判所による会社更生手続終結が決定。同年4月、商号を日本航空インターナショナルから日本航空に変更し、2012年9月には東京証券取引所第一部に再上場、機構の持ち株を処分し、機構による支援は完了した。
[編集部]
『日本航空株式会社統計資料部編・刊『日本航空社史(30年史)』(1985)』
(金谷俊秀 ライター / 2012年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
日本の国内幹線および国際線の運航に従事している航空会社。略して〈日航〉ともよばれる。英語名はJapan Air Linesで,略称をJAL(ジヤル)という。日本は第2次大戦後いっさいの航空活動を禁止されていたが,1951年,運航は海外の航空会社に委託し,営業だけを行うというかたちで民間航空が再開された。それにともない同年8月1日,民間会社としての日本航空株式会社が設立され,10月25日から札幌~東京~大阪~福岡間の営業を開始した。53年に〈日本航空株式会社法〉が公布され,民間会社としての日本航空株式会社はいったん解散し,新しく半官半民の特殊法人として日本航空株式会社が設立された(1987年11月,純民間会社として再出発)。設立当初の資本金は20億円で,旧日航が10億円,政府が10億円を出資した。新生の日本航空は54年にはサンフランシスコ線,沖縄線,翌年2月には香港線とやつぎばやに新路線を開設,55年にはわずかながら黒字を計上し,58年には民間株主に対して配当を行った。その後日本経済の発展にともなって急成長をとげ,旅客,貨物の国際定期便では世界トップクラスの輸送の実績をあげている。2002年日本エアシステムと経営統合して持株会社,日本航空システムを設立。04年日本航空インターナショナルと商号を変更。資本金1000億円(05年9月),売上高2兆1299億円(05年3月期)。06年日本航空ジャパン(旧日本エアシステム)を吸収合併。
執筆者:榊原 胖夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…政府や地方自治体および公企業などの公共部門と私企業が共同出資している株式会社を指す。第三セクターの一形態である。具体例として,日本たばこ産業株式会社,電源開発株式会社,関西国際空港株式会社,国際電信電話株式会社,日本電信電話株式会社,および旧国鉄の民営化により成立した東日本旅客鉄道株式会社などの各社がある。これらの企業は株式会社ではあるが,特定の行政目的を推進するために特別立法に基づいて設置され,主務官庁の規制を受ける。…
※「日本航空」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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