中国や中華圏などの旧暦の正月。時期は毎年異なるが、おおむね1月下旬から2月中旬で、中国では1週間程度休みとなる。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、2020年以降は行動制限が続いていた。今年の春節の連休は1月21~27日。中国では10月1日の国慶節(建国記念日)と並ぶ大型連休で、コロナ禍前の19年の特別輸送態勢「春運」期間中には約30億人が移動したとされる。(北京共同)
更新日:
出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報
中国で元来は春の季節を意味したが,現在はもっぱら旧正月のことをいう。その風俗は,時代,地域,階層,職業などによって千差万別であるが,数多くの年中行事の中で,最も晴れやかでにぎやかなものであるという点では,一貫している。それは,これが人間界を取りまく世界が死から生へと転じる時節を祝うものであるからである。春節は〈過年〉ともいわれるように,年越しの行事の側面もあるので,旧中国では12月24日(北方では23日)に竈神(かまどがみ)を天に送る〈辞竈〉の行事前後から,新年を迎える準備が始められる。年画,春聯,門神などを張り替え,大掃除をし,南方では〈年糕〉という餅(もち)や,北方では餃子(ギヨーザ)を作ったりする。大晦日の夜には,一家の者が集まり,〈年夜飯(過年宴)〉を開き,この席で子供たちは家長から,お年玉にあたる〈圧歳(ようさい)銭〉をもらい,〈辞年〉という年越しのあいさつをする。この夜は〈守歳〉といって,夜通し起きていて,12時になると,戸外で爆竹を盛大に鳴らして,旧年の悪鬼悪霊を払う。続いて天地四方や祖先を拝し,天より再び降臨する竈神を迎える。竈神を迎える〈接神〉の儀式から後が,新年である。
元旦には,衣服を改めて,神像をかけ,茶果を供えて,一年の無事を祈る。家では長幼の順に長者に新年のあいさつをし,外に出て親戚,知友,近隣に年始回りをする。これを〈拝年〉といい,〈恭禧発財〉が,その代表的なあいさつことばであった。仏寺や廟に初詣に出かけたり,先祖の墓に詣でる地方もある。街にはドラや太鼓の音とともに高脚踊,獅子舞などが出,子供たちは空竹(なりごま),地葫蘆(じごま),たこあげなどをして遊び,室内ではすごろく,かるたなどに興じる。春節の各種の行事は,15日の元宵(上元)まで続く。ただ,これらの風俗は多くは旧中国のものであって,今日ではなくなったり,変化したものが多い。しかし,餃子を食べたり,爆竹を鳴らしたり,拝年をしたりすることなどは,なお旧来に同じであり,近年は都市・農村を問わず,旧風俗の復活も少しずつ見られるようになった。また,春節には多くの職場で年末年始に休みが続くことから,これを一族の者と過ごそうと,人々の一大移動が社会現象として起こる。一族の集まるこの機会を利用して,結婚式をあげる人々も多い。
執筆者:稲畑 耕一郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
…小正月【小島 瓔礼】
[中国]
中国においても正月は民俗上もっとも重要な祝日である。現代でも新暦の正月は形式的に祝われるだけで,都市も農村も晴れやかでにぎにぎしい祝祭の気分に包まれるのは,春節と呼ばれる,農暦(陰暦)1月1日前後の数日間である。正月の行事は,まず農暦12月23日(小年)の竈(かまど)神(灶王爺(そうおうや))送りからはじまる。…
… 中国の公休日は,日曜以外では,新年(1月1日。1日休み),春節(旧正月。3日休み),メーデー(5月1日。…
※「春節」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新