プロ野球選手(右投左打)。6月12日、石川県で生まれる。星稜(せいりょう)高の4番・三塁手として春夏合計で4回、甲子園に出場した。高校通算ホームラン60本、3年生の夏の甲子園では2回戦の対明徳義塾戦で5打席連続して敬遠されるなど、当時からその強打は規格外のスケールだった。ドラフトの1位指名で読売ジャイアンツ(巨人)に入団。1年目の1993年(平成5)にホームラン11本を放ち、翌1994年にはレギュラーに定着して巨人の日本一に貢献した。1996年には打撃タイトルはとれなかったが、チームの大逆転でのリーグ優勝の立役者として初の最優秀選手(MVP)に選ばれる。1998年と2000年(平成12)には本塁打と打点の二冠王に輝き、2001年には初の首位打者を獲得、さらに2002年はホームラン50本、打点107で3回目の二冠王となり、2000年と2002年はチームを日本一へと導いてMVPにも選ばれた。守備も優れ、2000年から3年連続でゴールデン・グラブ賞を受賞。オールスター戦で1997年から5年連続本塁打をマークして山本浩二の記録に並ぶなど、大舞台でも強さを発揮した。FA(フリーエージェント)となった2002年のシーズンオフに大リーグ挑戦を表明し、翌2003年1月にニューヨーク・ヤンキースと2100万ドルで3年契約した。同年4月8日には、本拠地ヤンキー・スタジアムでのミネソタ・ツインズ戦で初のホームランを放ったが、それが満塁ホームランであった。また、同年の大リーグ・オールスター戦には、外野手としてファン投票で選出され、先発出場を果たした。さらに、打線の中軸として全試合に出場し、ヤンキースの38回目のリーグ優勝に貢献している。2004年はホームラン31本を放つなど、持ち前の長打力もみせた。2005年はホームラン数が23本に減少したものの、初の3割をマークし、3年連続全試合出場を果たした。同年シーズンオフに日本人メジャーリーガー最高額となる、4年総額5200万ドルで再契約を交わした。2006年はワールド・ベースボール・クラシック(WBC)への出場を辞退して万全の体調で臨んだが、5月11日の対ボストン・レッドソックス戦の初回の守備でスライディング・キャッチを試みて左手首を骨折。大リーグデビューからの連続出場は518試合でストップした。復帰したのは9月になってからで、結局その年は51試合の出場にとどまった。
[出村義和]
2007年は出場143試合。左翼手としての先発は111試合だったが、指名打者(DH)としても32試合に出場。打率2割8分5厘、ホームラン25本、打点103をあげ、故障した2006年を除き、5年間で4回目となる100打点をマークした。5月6日の対シアトル・マリナーズ戦では日米通算2000本安打を達成、8月5日の対ロイヤルズ戦では日本人選手初となる大リーグ通算100本塁打を記録した。2009年は打率2割7分4厘、ホームラン28本、打点90でシーズンを終了。ポストシーズンではワールド・シリーズで3本塁打するなどヤンキースの優勝に貢献し、同シリーズのMVPに選ばれたが、この年でヤンキースを退団。
2010年はロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイム、2011年はオークランド・アスレチックス、2012年はタンパベイ・レイズでプレー。2012年12月、現役引退を表明。2013年国民栄誉賞受賞。
日本での10年間の通算成績は、出場試合1268、安打1390、打率3割4厘、本塁打332、打点889。獲得したおもなタイトルは、首位打者1回、本塁打王3回、打点王3回、MVP3回、ベストナイン8回、ゴールデン・グラブ賞3回。大リーグ10年間の通算成績は、出場試合1236、安打1253、打率2割8分2厘、本塁打175、打点760。
[編集部]
『松下茂典著『松井秀喜――星とバットと』(1994・東京書籍)』▽『田中章義著『バットマン物語 松井秀喜の真実』(2003・講談社)』▽『二宮清純著『ニッポンが生んだゴジラ(松井秀喜)の実力』(2003・小学館)』▽『海法潤二著『松井秀喜観戦日記in2004』(2005・社会評論社)』▽『松井秀喜著『松井秀喜 大リーグの真実』(2005・朝日新聞社)』▽『広岡勲監修『学習まんがスペシャル「松井秀喜」』(2005・小学館)』
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(2013-4-3)
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