炎帝(読み)エンテイ(その他表記)Yán dì

デジタル大辞泉 「炎帝」の意味・読み・例文・類語

えん‐てい【炎帝】

中国で、夏をつかさどる神。太陽 夏》
《火の徳によって王となったところから》中国古代の伝説上の帝王神農氏のこと。

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精選版 日本国語大辞典 「炎帝」の意味・読み・例文・類語

えん‐てい【炎帝】

  1. 〘 名詞 〙 夏をつかさどる神。また、その神としての太陽。《 季語・夏 》
    1. [初出の実例]「四時には其主あるぞ。春は青帝、夏は炎帝、秋は白帝なんどと云ぞ」(出典:中華若木詩抄(1520頃)下)
    2. [その他の文献]〔礼記‐月令〕

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改訂新版 世界大百科事典 「炎帝」の意味・わかりやすい解説

炎帝 (えんてい)
Yán dì

中国太古の伝説的な帝王。もともと南方に位置し夏の季節をつかさどる観念的な神格であったと考えられる。五行思想で〈火〉にあたる位置にいるところから,三皇の一人,神農と結びつき,炎帝神農氏と呼ばれ,伏羲ふくぎ)と黄帝の間に入る帝王として歴史化された。姓は姜(きよう)。母の女登は神竜に感じて彼を生み,人身にして牛首であったという。聖徳があって帝位につくと,陳に都を定め,耒(らい),耜(し)などの農具を発明して穀物をうえることを人々に教え,市場の制度を創始するなどして民生の安定につとめた。また草木を嘗(な)めて薬草を探し,《神農本草経》4巻を著したとされる。皇甫謐《帝王世紀》,司馬貞《補史記》三皇本紀を参照。
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百科事典マイペディア 「炎帝」の意味・わかりやすい解説

炎帝【えんてい】

中国の伝説的な帝王。姜(きょう)姓の祖。神農と習合して炎帝神農氏と呼ばれ,火,竈(かまど),太陽などに関係づけられる。

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