獺祭(読み)ダッサイ

デジタル大辞泉 「獺祭」の意味・読み・例文・類語

だっ‐さい【×獺祭】

《「礼記月令から》カワウソが自分のとった魚を並べること。人が物を供えて先祖を祭るのに似ているところからいう。獺祭魚。おそまつり。うそまつり。
《晩唐の詩人李商隠が、文章を作るのに多数書物を座の周囲に置いて参照し、自ら「獺祭魚」と号したところから》詩文を作るとき、多く参考書を周囲に広げておくこと。

おそ‐まつり〔をそ‐〕【×獺祭(り)】

だっさい(獺祭)

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精選版 日本国語大辞典 「獺祭」の意味・読み・例文・類語

だっ‐さい【獺祭】

  1. 〘 名詞 〙だっさいぎょ(獺祭魚)」の略。《 季語・春 》

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普及版 字通 「獺祭」の読み・字形・画数・意味

【獺祭】だつさい

かわうそが魚を陳べる。そのように、詩文を作るときに、多くの典故の語をならべることをたとえる。〔五総志〕の李隱、を爲(つく)るに多く書を檢し、左右(りんじ)堆積す。時に謂ひて獺祭魚と爲す。

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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション 「獺祭」の解説

だっさい【獺祭】

山口日本酒。酒名は、正岡子規別号獺祭書屋主人」と蔵のある地名をかけて命名精米歩合は全量50%以下で、造る酒は純米大吟醸酒か純米吟醸酒。精米極限ともいえる23%まで磨いた「磨き二割三分」は純米大吟醸酒の最上級ブランド。原料米は山田錦。仕込み水は蔵内の井戸水。蔵元の「旭酒造」は昭和23年(1948)創業。所在地は岩国市周東町獺越。

出典 講談社[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクションについて 情報

デジタル大辞泉プラス 「獺祭」の解説

獺祭(だっさい)

山口県、旭酒造株式会社の製造する日本酒。

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世界大百科事典(旧版)内の獺祭の言及

【カワウソ(獺)】より

…しかし,河童は本来水神の信仰の衰退によって生まれた想像上の姿であるから,これを実在の動物に比定するのは正しくない。中国ではカワウソが魚をとらえて自分の周囲に並べておき,ちょうど神に供えているように見えるとしてこれを獺祭(だつさい)と呼び,書斎で学者が周囲に参考書を積み重ねるのをこれにたとえている。日本でも同様の生態が見られるか否かは明らかでない。…

※「獺祭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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