選挙人が直接に議員等の被選挙人を選挙する制度。これに対し、選挙人は単に選挙委員(中間選挙人)を選挙するにとどまり、その選挙委員が被選挙人を選挙する制度を間接選挙という。19世紀のヨーロッパ大陸諸国では、議員の選挙は間接選挙によることが多かったが、中間選挙人の投票が選挙人の意思から遊離する場合、間接選挙は非民主的となり、完全に一致する場合には中間選挙人は無用であり、間接選挙は実質的には選挙人を政治から遠ざける役割を果たしていたので、民主主義思想の普及とともに直接選挙が議員選挙の原則となった。現代では、アメリカの大統領選挙などの少数例を除いて、直接選挙が公職の選挙制度の基本原則となっている。
わが国では、地方公共団体の長、地方議会の議員については直接選挙が憲法原則である(憲法93条2項)。国会議員については憲法上明文の規定はないが、公職選挙法により直接選挙となっている。
[三橋良士明]
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…日本では1889年から記名捺印して投票する公開選挙制をとっていたが,1900年以降,秘密選挙制に改められた。(4)直接選挙 有権者が直接公職者を選出する制度である。これに対し間接選挙は,有権者が中間選挙人だけを選出し,中間選挙人が公職者を選出する選挙である。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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