同友会と略称される。経済4団体の一つで経営者団体であるが,他の団体と違い,経営者個人をメンバーとする点に特徴がある。第2次大戦中まで経済界を指導した人々の多くが戦後に公職を追放され,財界も空白状態を呈していた。こうした状況のなかで,1946年3月11日の日本産業協議会(日産協)準備会結成に続き,4月30日に秩父セメント社長諸井貫一をリーダーとする大企業の若手経営者を中心に同友会は組織された。初代の当番幹事は諸井のほか,日産協事務局長郷司浩平,同顧問帆足計。同友会の活動目的は,経済人としての職能的立場から日本経済の進歩と安定に寄与し,会員相互の啓発をはかることにある(定款)。経営者たちが経済・社会問題の勉強をし,その成果を政府や社会に向かって意見発表,提言の形で出す,いわば財界の研究集団であるが,個人参加のため,企業の利益に必ずしもとらわれない自由な発言ができる。とくに当初は,所有と経営の分離を強調し,労使協同で経済再建をはかるなどの〈修正資本主義〉的経営理念を打ち出すなど,進歩性が目だった。48年代表幹事制に移行。東京電力社長木川田一隆の代表幹事時代(1960-75)は,とくにその自由で進歩的な発言が脚光を浴びた。会員数約1000人,関西経済同友会など全国各地に35団体(それぞれが対等)がある(1983年12月末)。
→財界
執筆者:原田 幸裕
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1946年(昭和21)4月に創立された経営者団体。同友会と略称される。第二次世界大戦後の日本経済の堅実な復興を目ざす当時の若手経営者の集まりから始まったため、その目的は、経済職能人として日本経済に寄与することに置かれ、したがって政治的無色をその立場としている。会員はすべて個人であり、この点でかつての経済団体連合会や日本経営者団体連盟、また、両者が統合して2002年(平成14)5月に誕生した日本経済団体連合会などとは異なる。活動内容は、経営者相互の意見交換と親睦(しんぼく)を目ざす経営者クラブ的な面もあるが、もっとも重視されているのは、経済職能人としての経営者のイデオロギーの構築、国民経済的立場からする経済問題に対する意見や提言の表明などであり、これらの点で影響力はきわめて大きい。イデオロギーや提言の内容は、財界では進歩的なものが多いといわれてきたが、近年、会員の年齢構成が高まり、同友会の伝統が希薄化したとの批判もみられる。
[森本三男]
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(本庄真 大和総研監査役 / 2008年)
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