胆道感染症には胆嚢(たんのう)炎と胆管炎があり、ほとんどの場合、胆石や腫瘍(しゅよう)による胆道系の通過障害と胆汁のうっ滞が背景となって発症する。腸管から胆道系を逆行する大腸菌の上行性感染の頻度がもっとも高い。ここでは、胆管炎について述べる。
胆管炎は急性化膿性胆管炎ともよばれ、発熱、腹痛、黄疸(おうだん)は必発の症状であり、この三つはシャルコーCharcot三徴とよばれる。症状が進行して胆管が閉塞すると胆道内圧が上昇し、急性閉塞性化膿性胆管炎発症の引き金となる。原因は胆管結石がもっとも多い。シャルコー三徴にエンドトキシンショックと意識障害を加えてレイノルズReynolds五徴とよび、急性閉塞性化膿性胆管炎の症状である。
超音波検査、磁気共鳴胆管膵管検査を行い、前述の臨床症状に加えて、胆管内結石とその末梢胆管の拡張を認めれば診断は確実である。
急性閉塞性化膿性胆管炎に至ると敗血症を起こし、エンドトキシンショックや播種(はしゅ)性血管内凝固症候群をきたし予後は著しく不良となる。治療は抗生物質を投与するとともに速やかに胆道ドレナージを行い胆道減圧を図ることがきわめて重要である。
[中山和道]
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…膵炎もおこりやすい。 胆管の病気の代表的なものは胆管結石であり,次いで胆管癌,胆管炎などが問題となる。胆管で初めからつくられる胆石はビリルビンカルシウム石であり,コレステロール石が存在する場合は,胆囊でつくられたものが胆囊管を通って排出されて生じたものである。…
※「胆管炎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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