融通(読み)ユウズウ

デジタル大辞泉 「融通」の意味・読み・例文・類語

ゆう‐ずう〔‐ヅウ〕【融通】

[名](スル)
とどこおりなく通じること。転じて、必要に応じて自在に処理すること。ゆずう。「融通のきかない石頭」「融通自在」
必要な物や金を都合すること。やりくり。ゆずう。「資金融通する」
仏語。別々のものがとけあって一体となること。ゆずう。
[類語](1弾力的フレキシブル柔軟変通臨機応変融通無碍むげ/(2金繰りやりくり切り盛り工面都合捻出算段まかなう繰り合わせ貸す貸し出す用立てる貸し切る貸し付ける貸し渋り貸与貸し付け融資金融又貸し転貸賃貸前貸し貸し金貸し切りローンレンタルリース

ゆ‐ずう〔‐ヅウ〕【融通】

ゆうずう(融通)」に同じ。
円頓ゑんどん―ののりの灯かかげそひて」〈奥の細道

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精選版 日本国語大辞典 「融通」の意味・読み・例文・類語

ゆう‐ずう‥ヅウ【融通】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 滞りなく通ずること。相互の間に障害もなく通用すること。また、隔てなく気持などが通じ合うこと。ゆずう。〔文明本節用集(室町中)〕
    1. [初出の実例]「神と人間との間には未だしも融通がある」(出典:煤煙(1909)〈森田草平〉三〇)
    2. [その他の文献]〔任昉‐斉竟陵文宣王行状〕
  3. 金銭の流通すること。また、困ったときや困った人に金銭物品などを貸借すること。やりくりすること。ふりかえて使用すること。ゆずう。
    1. [初出の実例]「誠に今年は不手廻りで融通が悪うございます」(出典:真景累ケ淵(1869頃)〈三遊亭円朝〉二)
  4. 仏語。異なる別々のものがとけあって邪魔しないこと。互いにとけあって一体となること。ゆずう。

融通の補助注記

古い例は多く「ゆずう」と読まれている。→ゆずう


ゆ‐ずう‥ヅウ【融通】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ゆ」は「融」の呉音 )
  2. ゆうずう(融通)
    1. [初出の実例]「自他ゆつうのみちをもて、舞歌をなす心をもつべし」(出典:習道書(1430))
  3. ゆうずう(融通)
    1. [初出の実例]「つかふための金銀だから用向の事には遣ふがよし。つかはねば融通(ユヅウ)が悪い」(出典滑稽本浮世風呂(1809‐13)四)
  4. ゆうずう(融通)
    1. [初出の実例]「万法を融通(ユヅウ)して一切となせば」(出典:真如観(鎌倉初))

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普及版 字通 「融通」の読み・字形・画数・意味

【融通】ゆうづう

融合し貫通する。明・宋濂白雲の序〕天、言ふこと能はず、人之れに代る。經は乃ち人の定むる、實にほ天然日星辰の昭布し、山川木の森列するがごとし。(かか)らず、(おほ)はざる(な)し。皆一氣して、之れを融す。

字通「融」の項目を見る

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