装甲兵員輸送車(読み)そうこうへいいんゆそうしゃ(英語表記)armoured personel carrier

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「装甲兵員輸送車」の意味・わかりやすい解説

装甲兵員輸送車
そうこうへいいんゆそうしゃ
armoured personel carrier

戦場兵員を輸送するために,装甲を施し,無限軌道あるいはゴムタイヤ,または双方を兼用して走行する自動車。第1次世界大戦でイギリス軍がマーク9型を登場させたのが最初で,第2次世界大戦で使用された代表的なものにドイツの Sd-Kfz-250,Sd-Kfz-251,アメリカのM-3などの半装軌車があげられる。旧日本陸軍では装甲兵車と呼び,一式装甲兵車,一式半装軌装甲兵車をつくって使用した。陸上自衛隊国産 73式装甲車は,全備重量約 13.3t,最高時速約 60kmで,無限軌道で走行し,乗員 12人,12.7mm重機関銃1,7.62mm機関銃1を備えている。

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世界大百科事典(旧版)内の装甲兵員輸送車の言及

【装甲車】より

…第2次大戦後は,核戦争下において,戦車および装甲車が核爆発によって生じる熱線,爆風,放射線から兵士たちを防護できるという有効さがあらためて認識され,戦車の開発,生産と並行して各種装甲車の開発,生産が進められ現在にいたっている。 装甲車の基本となるのは,武装として機関銃を搭載し,機関銃弾に耐える程度の装甲防護力をもち,8~12名の兵士を乗せて戦場を機動できる装甲兵員輸送車armored personnel carrier(APC)である。近年,対戦車兵器が著しく発達し,歩兵による戦車護衛の必要性が高まったため,装甲兵員輸送車の発展型として装軌式の装甲歩兵戦闘車mechanized infantry combat vehicle(MICV),armored infantry fighting vehicle(AIFV)が1960年代後半に出現した。…

※「装甲兵員輸送車」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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