西崎緑(読み)ニシザキ ミドリ

新撰 芸能人物事典 明治~平成 「西崎緑」の解説

西崎 緑(初代)
ニシザキ ミドリ


職業
日本舞踊

肩書
西崎流初代家元

別名
前名=西川 喜代美

生年月日
明治44年 5月16日

出生地
神奈川県 横浜市池ノ坂

学歴
仏英和高等女学校専門部〔昭和6年〕卒

経歴
5歳で正派西川流初代家元・西川喜洲入門、16歳で西川喜代美として名取となる。昭和5年、18歳のとき新しい舞踊を目ざして若葉会を結成土岐善麿、市川八百蔵(のちの8代中車)らの協力で「南都炎上」など意欲的な作品を発表した。戦後の23年には西崎流を創始して家元となった。28年にフランス、スペインで開かれた世界民謡音楽舞踊祭に参加、受賞後は日本舞踊協会理事となり、松竹・宝塚両歌劇団の振付も担当。NHKの「とんち教室」のレギュラーとしても人気があった。代表作に「お蝶夫人」「日輪」「日本民謡集」など。「酔うて候」「舞踊のあけくれ」の著書がある。

没年月日
昭和32年 2月18日 (1957年)

家族
父=西崎 弘太郎(薬学者),夫=内海 通吉(元西崎流マネージャー)

出典 日外アソシエーツ「新撰 芸能人物事典 明治~平成」(2010年刊)新撰 芸能人物事典 明治~平成について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「西崎緑」の意味・わかりやすい解説

西崎緑
にしざきみどり

日本舞踊家。

如月青子

初世

(1911―57)横浜に生まれる。5歳から正派西川流の初世喜洲(きしゅう)に師事、1928年(昭和3)西川喜代美を名のる。30年、若葉会を結成して新舞踊に打ち込み、西川姓を返上。38年、本名の西崎緑として独立し、48年(昭和23)に門下要請で西崎流を樹立し家元となった。民俗舞踊、民謡舞踊、オペラ風の舞踊劇『道成寺(どうじょうじ)』や、大作『黄塵(こうじん)』『日輪(にちりん)』などを発表するかたわら、NHKの「とんち教室」の一員として活躍し、幅広い人気を集めたが、40代の盛りで没した。著書に『舞踊のあけくれ』(1953)、『酔うて候』(1957)がある。

[如月青子]

2世

(1931― )初世の弟子、西崎和美(本名白川和子)が60年に襲名した。ただし、家元ではない。初世ゆずりの民俗舞踊、民謡舞踊はもとより、宗教的な世界に題材をとった佳作を生み、代表作品に野外公演における三部作『八百比丘尼(やおびくに)』『加耶女転生(かやじょてんしょう)』『小夜姫草紙(さよひめぞうし)』がある。

[如月青子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

20世紀日本人名事典 「西崎緑」の解説

西崎 緑(1代目)
ニシザキ ミドリ

昭和期の日本舞踊家 西崎流1代目家元。



生年
明治44(1911)年5月16日

没年
昭和32(1957)年2月18日

出生地
神奈川県横浜市池ノ坂

別名
前名=西川 喜代美

学歴〔年〕
仏英和高等女学校専門部〔昭和6年〕卒

経歴
5歳で正派西川流初代家元・西川喜洲に入門、16歳で西川喜代美として名取となる。昭和5年、18歳のとき新しい舞踊を目ざして若葉会を結成、土岐善麿、市川八百蔵(のちの8代中車)らの協力で「南都炎上」など意欲的な作品を発表した。戦後の23年には西崎流を創始して家元となった。28年にフランス、スペインで開かれた世界民謡音楽舞踊祭に参加、受賞後は日本舞踊協会理事となり、松竹・宝塚両歌劇団の振付も担当。NHKの「とんち教室」のレギュラーとしても人気があった。代表作に「お蝶夫人」「日輪」「日本民謡集」など。「酔うて候」「舞踊のあけくれ」の著書がある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「西崎緑」の意味・わかりやすい解説

西崎緑 (にしざきみどり)
生没年:1911-57(明治44-昭和32)

日本舞踊西崎流創立者。横浜市出身。初世西川喜洲に入門,1928年西川喜代美を名のる。30年〈若葉会〉を結成し本名西崎緑で新舞踊創作をめざす。38年西川名を返上して独立。48年門下の要請で西崎流家元となる。民俗舞踊,民謡舞踊,オペラ風舞踊劇等多彩な作品を発表。代表作は《黄塵》(1953),《日輪》(1955)。その没後西崎流は多派に分裂している。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「西崎緑」の意味・わかりやすい解説

西崎緑
にしざきみどり

[生]1911.5.20. 横浜
[没]1957.2.18. 東京
舞踊家。日本舞踊西崎流家元。本名内海緑。幼時より正派西川流の1世家元西川喜州の門弟となり,西川喜代美と称した。 1930年新しい舞踊を目指し若葉会を結成。1世喜州の没後独立。 38年西崎緑と改め,48年西崎流を樹立して家元となる。新舞踊の第一線で活躍したが急逝。代表作に洋踊家らの参加を得た創作舞踊『黄塵 (こうじん) 』などがある。 60年理事会の決議により門弟西崎和美が2世を襲名した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「西崎緑」の解説

西崎緑(初代) にしざき-みどり

1911-1957 昭和時代の日本舞踊家。
明治44年5月16日生まれ。西崎弘太郎の長女。正派西川流初代西川喜洲に入門,西川喜代美を名のる。昭和5年本名で若葉会を結成,あたらしい舞踊の創作につとめる。23年西崎流を創設,家元となった。昭和32年2月18日死去。45歳。神奈川県出身。仏英和高女専門部(現白百合女子大)卒。著作に「酔うて候」「舞踊のあけくれ」。

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367日誕生日大事典 「西崎緑」の解説

西崎 緑(初代) (にしざき みどり)

生年月日:1911年5月16日
昭和時代の日本舞踊家
1957年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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