石垣島の西約一六キロに位置する高島。北に
面積二八九・二七平方キロの高島で、県内では沖縄島に次ぐ大きさ。年平均気温摂氏二三・三度、年平均降水量二三四二・五ミリ。東南東―西南西方向におよそ三〇キロ、北西―南東方向におよそ二五キロの菱形状をなし、東端が
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
沖縄県石垣島の西方約20キロメートルの海上に位置する島。八重山列島(やえやまれっとう)の一つ。竹富町に属す。面積289.27平方キロメートル。沖縄本島に次ぐ沖縄県第2位の大きさである。古見岳(こみだけ)(469メートル)を最高峰として、400メートル級の山地部が、島の面積の70%を占める。浦内川、仲間川(なかまがわ)の河口はエスチュアリー(三角江)となり、日本でも有数のマングローブ湿地が発達している。島の大半は第三紀層の八重山層群から構成され、斜層理に富む砂岩が特徴的な地質をつくる。また島の西部や、内離島(うちばなりじま)には八重山夾炭(きょうたん)層があり、かつて内離島では石炭の採掘が行われていた。西表島は、日本でも有数の自然環境を有し、大半が亜熱帯の原生林で覆われている。20世紀の大型哺乳(ほにゅう)類の新種発見として知られるイリオモテヤマネコや、カンムリワシ(ともに国指定特別天然記念物)をはじめ、セマルハコガメ(国指定天然記念物)、リュウキュウイノシシなど貴重な野生動物が生息し、前述の仲間川天然保護区域のマングローブ林のほか、船浦のニッパヤシ群落、古見のサキシマスオウノキ群落(いずれも国指定天然記念物)など、貴重な植物も多くみられる。豊かな自然を求めて多くの観光客が訪れるようになり、1972年(昭和47)西表国立公園(のち西表石垣国立公園)に指定された。浦内川のマリュード滝、カンピラ滝など見るべき観光名所も多い。石垣島石垣港から定期船がある。人口2203(2009)。
[目崎茂和]
2021年(令和3)、西表島はユネスコ(国連教育科学文化機関)により「奄美(あまみ)大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」として世界遺産の自然遺産に登録された(世界自然遺産)。
[編集部 2022年1月21日]
『吉見光治著『西表島』(1995・文一総合出版)』▽『横塚真己人写真・著『西表島フィールド図鑑』(2004・実業之日本社)』▽『安渓遊地編著『西表島の農耕文化――海上の道の発見』(2007・法政大学出版局)』
沖縄島(本島)の南西約470kmに位置する島で,沖縄県八重山郡竹富町に属する。八重山諸島の一つで,東方約18kmに石垣島がある。県下では沖縄島に次いで大きく,面積284km2。その90%は国有地である。古見(こみ)岳(469m)を最高点とし,テドー山,波照間(はてるま)森,御座岳などの山地によって大半を覆われ,山間を仲間川,浦内川,仲良川などが流れる。地質は,古見岳付近に古生層がみられるほか,主として第三紀の砂岩,火成岩からなり,西海岸には石炭層がある。集落は東と西の沿岸部に立地する。古くからマラリア病の有病地域で,廃絶した集落も多く,首里王府による周辺離島からの強制移住もなされたが,ことごとく失敗した。第2次世界大戦後,主として周辺離島,宮古島,沖縄島からの移住者によって多くの開拓集落が生まれ,マラリア病は1962年撲滅が宣言された。全面積の半分近くが西表国立公園に指定され,亜熱帯の密林は,イリオモテヤマネコなどの動植物にとってかっこうの生息地となっている。天然記念物として,船浦のニッパヤシ群落,ウブンドルのヤエヤマヤシ群落のほか,ヒルギ林やノヤシ群落のある星立天然保護区域,オヒルギとヤエヤマヒルギを主とする広大なマングローブ林がみられる仲間川天然保護区域がある。この亜熱帯の自然環境が観光資源となり,年々島への観光客も増加しており,民宿や観光関連産業への就業者数の大幅な増加をもたらしている。農業は,サトウキビ,水稲,パイナップルの栽培が中心である。西表島(人口1887人,1995年)の属する竹富町(3508人)は,ほかに黒島(193人),小浜島(486人),新城島(9人),竹富島(262人),波照間島(595人),鳩間島(45人),由布島(30人)の計八つの有人島よりなる。なお竹富町役場は石垣市にある。
執筆者:町田 宗博
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※「西表島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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