謳歌(読み)オウカ

デジタル大辞泉 「謳歌」の意味・読み・例文・類語

おう‐か【×謳歌】

[名](スル)
声を合わせて歌うこと。また、その歌。
「或は之を諷詠し、或は之を―し」〈柳河春三編・万国新話〉
声をそろえて褒めたたえること。
「世は名門を―する、世は富豪を―する」〈漱石野分
恵まれた幸せを、みんなで大いに楽しみ喜び合うこと。「青春謳歌する」「平和を謳歌する」
[類語]快楽歓楽享楽享受悦楽逸楽淫楽楽しむ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「謳歌」の意味・読み・例文・類語

おう‐か【謳歌】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「謳」は、うたをうたう意 )
  2. 声を合わせていっせいに歌うこと。また、その歌。特に、歌謡俗謡をいう。
    1. [初出の実例]「不沛中聞漢筑、謳歌濫続大風音」(出典:凌雲集(814)奉和聖製宿旧宮応製〈藤原冬嗣〉)
    2. 「旨酒珍膳席上にみち、郢曲謳歌(アウカ)室中にかまびすく」(出典:読本・昔話稲妻表紙(1806)一)
  3. 声をそろえてほめたたえること。
    1. [初出の実例]「若預今春之拝任。定継吉年之謳歌」(出典:本朝文粋(1060頃)六・申美濃加賀等守状〈源為憲〉)
    2. 「世は名門を謳歌(オウカ)する、世は富豪を謳歌する」(出典:野分(1907)〈夏目漱石〉三)
    3. [その他の文献]〔孟子‐万章・上〕
  4. よい境遇にあることをはばかることなく言動に表わすこと。「青春を謳歌する」
    1. [初出の実例]「杯を鳴らし祇園を謳歌(オウカ)すと」(出典:酒ほがひ(1910)〈吉井勇祇園冊子)
  5. うわさすること。また、風説風聞。謳歌の説。
    1. [初出の実例]「三人兄弟、一夜婚姻、人以謳歌、也以嘲哢」(出典:台記‐久安三年(1147)七月二〇日)

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普及版 字通 「謳歌」の読み・字形・画数・意味

【謳歌】おうか

たたえる。〔孟子、万章上〕天下侯の覲(てうきん)する、堯の子に之(ゆ)かずしてに之き、~謳歌する、堯の子を謳歌せずしてを謳歌す。

字通「謳」の項目を見る

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