警察行政を担当する国家機関。警察法(昭和29年法律第162号)に基づいて国家公安委員会に設置された。国家公安委員会の管理の下で、国家として責任を負うべき事務(警察制度の企画・立案、大規模な災害・国際テロ事案等への対処、全国的な幹線道路における交通規制等)、全国的な見地から中央において統括すべき事務(警察通信、犯罪鑑識、犯罪統計、警察装備等)および警察行政に関する調整事務をつかさどる。また、法律により国家公安委員会の権限とされた事務(都道府県警察の警視正以上の階級にある警察官の任免、国家公安委員会規則の制定、司法警察職員の指定、犯罪収益移転防止法に基づく事務等)について、同委員会を補佐する。
警察庁の長は警察庁長官で、国家公安委員会の定める大綱方針に即して警察庁を統括し、警察庁の所掌事務について都道府県警察を指揮監督する。内部部局として長官官房、生活安全局、刑事局、交通局、警備局および情報通信局が、付属機関として警察大学校、科学警察研究所、皇宮警察本部が、地方機関として東北・関東・中部・近畿・中国・四国・九州の7管区警察局と東京都および北海道各警察通信部がそれぞれ置かれている。原則として、警察事務の執行は都道府県警察が行うが、皇宮警察の事務に関しては、皇宮警察本部が直接あたっている。
[田村正博]
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国家公安委員会の管理下にある,警察行政の中央機関。その担当事務は,警察諸制度の企画調査,警察に関する国の予算,国の公安に関する警察運営,緊急事態に対処するための計画と実施,全国的な幹線道路における交通規制,国際捜査共助,皇宮警察,警察教養,警察通信,犯罪鑑識,犯罪統計,警察装備,警察職員の任用・勤務・活動の基準,警察行政の調整,以上の事務遂行に必要な監察に関することである。警察庁は国家公安委員会の事務局でもある。警察庁長官は国家公安委員会が内閣総理大臣の承認をえて任免する。内部部局として,長官官房,生活安全局,刑事局,交通局,警備局,情報通信局が,付属機関として,警察大学校,科学警察研究所,皇宮警察本部がある。地方機関として,管区警察局(七つ),東京都警察情報通信部,北海道警察情報通信部がおかれている。警察庁長官は,警察庁の所掌事務につき都道府県警察を指揮監督する。
執筆者:神長 勲
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
1954年(昭和29)6月公布の新警察法により発足した中央官庁。内閣総理大臣所轄の国家公安委員会が長官の任免権を握り,その下で全国にわたる警察行政を調整するとともに,国の公安に関する警察運営の指揮監督を行う。全国を7管区にわけ,警察局をおく。付属機関として警察大学校・科学警察研究所・皇宮警察本部などがある。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
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