議員連盟（読み）ギインレンメイ

デジタル大辞泉

ぎいん‐れんめい〔ギヰン‐〕【議員連盟】

特定の目的を達成するために、政党・派閥・参院・衆院の枠にとらわれず活動する議員集団。日中友好議員連盟など。議連。

出典　小学館

日本大百科全書(ニッポニカ)

議員連盟
ぎいんれんめい

特定の目的のために活動する政治家の集まり。略して議連とよばれることが多い。その目的は、個々の政策の実現を目ざすものから、外国との交流促進、特定業界とのパイプ役、趣味や愛好家の集まりまで多様であり、国会だけでなく全国の地方議会にもある。また、政党内の議員連盟のほか、政党、会派、派閥、衆議院、参議院などの枠組みを超えた組織も多く、なかには非政府組織代表など政治家ではない人が加わる例もある。名称も「議員連盟」のほか「考える会」「超党派の会」「懇談会」「研究会」などさまざまである。なお、結成にあたって議院議長などへの届出の必要はなく、会派などとは異なり、議会内で一定の地位や便益を与えられることはない。

　政策目的では、中曽根康弘(なかそねやすひろ)を中心とする超党派の議員が提案した原子力基本法（1955年）が、議員連盟の働きかけによる立法化の代表的な例とされる。省庁をまたぐ懸案や社会問題解決のために超党派議連が結成されて立法化へ動くことが多く、「死刑廃止を推進する議員連盟」「少子化社会対策議員連盟」など、数多くの議員連盟がある。2013年（平成25）には、「危険運転致死傷罪を考える超党派の会」の働きかけにより、交通事故を起こした際の罰則を強化した自動車運転死傷行為処罰法が成立。2014年には、超党派の「山の日制定議員連盟」が提案した8月11日を山の日とする改正祝日法が成立した。また、カジノを核とした総合観光施設の整備を求める「国際観光産業振興議員連盟（通称、カジノ議連）」は日本でのカジノ解禁を求めており、ダンス産業の規制緩和を求める「ダンス文化推進議員連盟」は風俗営業等取締法の改正を提案。「スポーツ議員連盟」は2020年のオリンピック・東京大会開催に向け、スポーツ庁の創設を提言している。

　特定業界とのパイプ役を務める議連としては、「自動車議員連盟」「国民医療を守る議員の会」「自民党遊技業振興議員連盟」などがあり、業界の声を代弁するかたちで、予算獲得や税制改正を求めて活動している。

　外交関係では、「日中友好議員連盟」「日韓議員連盟」「日米国会議員連盟」「日仏友好議員連盟」など、ほとんどの国・地域の議員組織との議員連盟がある。また、「北朝鮮に拉致(らち)された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟」「国際軍縮促進議員連盟」など、特定の外交問題に焦点をあてた組織も多い。

　趣味の分野では、「文化芸術振興議員連盟」「日本の伝統文化並びにいけ花を愛する議員連盟」「将棋文化振興議員連盟」「ゴルフ振興議員連盟」「スキー議員連盟」などがある。議員間の交流促進や愛好家の集まりにとどまることなく、各分野で振興予算の獲得、規制緩和、税制改正要求など政策実現へ動いている。

［編集部］

[参照項目] | 原子力基本法 | 自動車運転死傷行為処罰法 | 風俗営業等取締法

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

議員連盟
ぎいんれんめい

特定の目的の下に国会議員が組織する集団。与野党の議員が所属するものや，特定の政党の議員だけで構成されるものがある。議員連盟の目的は多岐にわたり，特定業界や地域に利益誘導を求めるものもあれば，外国との友好やクラブ活動のような趣味的なものもあり，その数は 300ともいわれる。ただ，日韓議員連盟のように友好が目的のものであっても，そこへの参加に政治的な意味が含まれることも少なくない。

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