選択的夫婦別姓(読み)せんたくてきふうふべっせい

共同通信ニュース用語解説 「選択的夫婦別姓」の解説

選択的夫婦別姓

夫婦が望む場合、結婚後もそれぞれの結婚前の姓を使うことを認める制度。法相の諮問機関である法制審議会が1996年に導入を盛り込んだ民法改正要綱を答申したが、保守系議員の抵抗もあり、法案提出されなかった。最高裁大法廷は2015年と21年、現行規定を「合憲」としたが、それぞれで複数の裁判官違憲と判断した。22日閉幕の通常国会では、立憲民主党国民民主党がそれぞれ民法改正案を提出。日本維新の会提出の戸籍法改正案も含め一括して審議入りしたが、採決に至らず継続審議となった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「選択的夫婦別姓」の意味・わかりやすい解説

選択的夫婦別姓
せんたくてきふうふべっせい

婚姻関係にある2人が、両者の姓を統一するか、別姓を名のるかを選べる制度。選択的夫婦別氏ともいう。夫婦同姓夫婦別姓以外に、両者の姓をつないだ結合姓を選択できる場合もある。選択的別姓を選んだ夫婦の子供の姓については、(1)成人後などに子供が選択する、(2)婚姻時に決めた姓を名のる、(3)結合姓を名のる、など多様な制度が存在する。1970年代に女性の社会進出が世界的に進み、夫婦別姓を認めるべきだとの機運が盛り上がった。一方で、姓は家族制度の根幹であるとして夫婦同姓を堅持すべきとの主張もあり、両者の主張を盛り込んだ、どちらをも選択できる法改正がヨーロッパを中心に進んだ。このため世界ではイギリス、イタリア、ドイツ、スウェーデン、ロシア、ブラジル、タイ、シンガポール、オーストラリアなど多くの国が選択的夫婦別姓を採用している。州ごとに規定の異なるアメリカでもカリフォリニア州など多くが選択的夫婦別姓をとっている。なお歴史的に血縁を重んじる傾向が強い中国、韓国、ベトナム、サウジアラビアなどでは伝統的に夫婦別姓である。

 日本では民法第750条で夫婦同姓を規定しているが、夫婦別姓の導入を求める運動が広がり、法制審議会(法務大臣の諮問機関)民法部会身分法小委員会は1996年(平成8)、選択的夫婦別姓の導入などを柱とする民法改正要綱を答申した。しかし、自由民主党を中心に、国会議員のなかに強く夫婦別姓に反対する勢力があり、民法改正は進んでいない。

[矢野 武 2021年6月21日]

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