鄧小平理論(読み)とうしょうへいりろん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「鄧小平理論」の意味・わかりやすい解説

鄧小平理論
とうしょうへいりろん

中国共産党の指導的理論。社会主義を掲げながら市場経済化を進め、資本主義的手法を導入してきた鄧小平思想、方法論は、毛沢東思想継承・発展させ、マルクス主義と中国の現実を結合した「中国の特色ある社会主義建設理論」としてすでに92年の第14回党大会で党規約に指導理論として盛り込まれていたが、1997年9月の第15回党大会であらためてマルクス・レーニン主義、毛沢東思想とともに個人名を冠した「鄧小平理論」の名で明記されることになった。これは従来路線が不変であることを示すとともに、国有企業改革など改革・開放のさらなる深化を目ざすうえで、いまなお、亡き鄧小平の権威が必要とされていることをあらわしているともいえる。

[渡邊幸秀]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android