日本大百科全書(ニッポニカ) 「鉄道模型」の意味・わかりやすい解説
鉄道模型
てつどうもけい
金属製の電気機関車などを中心にした模型玩具(がんぐ)。初歩セットは機関車1、客車2にレール、トランスを加えたものが一般で、これに部分品をさらに買い集めていくと複雑な鉄道遊びができる。模型玩具は、実物と同じ形を縮尺でつくったもの、あるいは実物に模して同じように動くもので、19世紀以後、科学の進歩に伴って生まれた理工玩具の一つとして発達した。
日本では昭和初年に、国産の電気機関車など、ドイツ玩具を模倣したものが現れたが、値段が高く一般化されなかった。現在ではドイツのメルクリン社製をはじめ、フラインマン、エグガーバーン、ローカル、アーノルドなどの海外輸入品が主流を占めている。ホビー(趣味)玩具とよばれる。
一般的な分類はレールの幅によって区別されている。たとえば、Oゲージ=32ミリメートル、HOゲージ=16.5ミリメートル、T・Tゲージ=12ミリメートル、スリーOゲージ(Nゲージ)=9ミリメートルである。製品は、完成しているものと、組み立てて用いるものとがある。低年齢層は完成品を玩具として扱い、これが底辺部をなしている。さらに年齢層が高くなるにつれて、部分品を求めては組み立てて楽しむ愛好者層があり、その両者を愛好する中間層もある。なお、駅、沿線家屋、踏切、ミニカー、信号機などのさまざまなアクセサリー模型玩具が、プラスチックモデルとして市販されており、これらを加えて遊びの興味を増していくなどの傾向もみられる。
[斎藤良輔]