容疑者や被告に精神障害の疑いがある場合に、刑事責任能力の有無や程度を調べるため、刑事訴訟法に基づき病院などに収容する処分。検察官や弁護人の請求を受けて裁判所が可否を判断する。認められれば、検察や裁判所の委嘱を受けた医師ら専門家が事件当時の精神状態を調べる。通常は結果が出るまでに2~3カ月かかり、必要に応じて延長することもできる。鑑定入院は心神喪失を理由に不起訴となった場合などに、心神喪失者等医療観察法に基づき入院するか、通院治療を受けさせるか判断するための措置。
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出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報
被告人または被疑者の心神(責任能力など)や身体に関する鑑定をさせるにあたって、必要がある場合に、裁判所が、期間を定めて被告人または被疑者を病院その他の場所に留置すること(刑事訴訟法167条、刑事訴訟規則130条の2~130条の5)。捜査機関が鑑定を嘱託する場合にこの処分を必要とするときは、裁判官にこれを請求しなければならない(刑事訴訟法224条)。鑑定留置は身体の自由を拘束する処分であるから、鑑定留置状を必要とし(同法167条2項)、保釈を除いて、勾留(こうりゅう)に関する規定が準用される(同法167条5項、刑事訴訟規則131条)。被告人または被疑者がすでに勾留されているときは、鑑定留置状が執行されている間、勾留はその執行を停止されたものとして扱われ、留置期間の満了により勾留のための収監手続をとることとされている(刑事訴訟法167条の2)。
[内田一郎・田口守一]
(2013-10-4)
…当事者に忌避申立権はない。鑑定に必要な場合,鑑定人は,裁判所の発する鑑定留置状,鑑定処分許可状により,被告人を病院等へ留置する(鑑定留置),他人の住居へ立ち入る,墳墓を発掘する等の処分ができる。犯罪捜査遂行のために検察官や警察から鑑定を嘱託された鑑定受託者(刑事訴訟法223条)も,宣誓義務がない点を除き,鑑定人と同様である。…
※「鑑定留置」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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