選挙人は単に選挙委員(中間選挙人)を選挙するにとどまり、その選挙委員が被選挙人を選挙する制度をいう。間接選挙は、選挙人自らが被選挙人を選挙する直接選挙と異なり、選挙人が選挙委員を媒介として間接的に被選挙人の選定に参与するにすぎない制度である。19世紀のヨーロッパ大陸諸国では、間接選挙制による議員選挙が広く行われていたが、現在では、直接選挙が選挙制度の基本原則となっている。しかし、今日なお、アメリカの大統領選挙や、フランス、オランダなどの上院議員選挙は間接選挙である。間接選挙に類似するが、これと区別されるものに複選制(準間接選挙制)がある。両者の違いは、間接選挙における中間選挙人は被選挙人を選挙するためにのみ選ばれ、その地位は選挙終了とともに消滅するが、複選制ではそうではない点である。かつてのわが国の府県会議員は複選制により、すなわち市会・郡会などにおいて選挙されたことがある(1890~99)。
[三橋良士明]
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…(4)直接選挙 有権者が直接公職者を選出する制度である。これに対し間接選挙は,有権者が中間選挙人だけを選出し,中間選挙人が公職者を選出する選挙である。間接選挙はまれであり,アメリカ合衆国の大統領選挙がそうである。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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