かます

日本大百科全書(ニッポニカ) 「かます」の意味・わかりやすい解説

かます
かます / 叺

藁莚(わらむしろ)を二つ折りにし、両端をコデ縄などとよぶ細い縄で縫って袋にし、容器として用いるもの。穀物、塩、肥料石炭などを入れ、保存や輸送に利用する。材料には稲藁を使い、かつては農家が冬の農閑期につくっていたが、のちには専門業者がつくるようになった。現在は紙袋が普及し、その利用が急速に減っている。しかし、たとえば神奈川県相模原(さがみはら)市(旧津久井(つくい)郡)では正月に歳神(としがみ)様を祀(まつ)るのに、かますを使ったり、千葉県印旛(いんば)郡では家の交際仲間を「叺つきあい」というなど、容器以上の意味をもっている。

[小川直之]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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