ぎっくり(読み)ギックリ

デジタル大辞泉 「ぎっくり」の意味・読み・例文・類語

ぎっくり

[副](スル)
不意をつかれて驚き動揺するさま。ぎくっ。「急に名前を呼ばれてぎっくり(と)する」
歌舞伎見得みえで、にらむさま。
「かさを持って―とにらんだらの」〈滑・浮世風呂・前〉
[名]歌舞伎で、目をむいてにらむこと。
[類語]ぎくりどきんどきどきどきっとはらはらあっとはっとぎょっとびくっとどきりとびくりわなわながたがたがくがくぶるぶるひくひくびくびくぴくぴくぴくりひやり総毛立つ背筋が寒くなるぞっとする肌に粟を生じる身の毛がよだつ鳥肌が立つひやっと冷や汗冷汗三斗寒心慄然

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精選版 日本国語大辞典 「ぎっくり」の意味・読み・例文・類語

ぎっくり

[1] 〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
① 角立ったもの、物の節目などが、こすれてたてる音を表わす語。
※雑俳・銀土器(1716‐36)「音ぐきり・ぎっくりといふたと白い膝を出し」
※続無名抄(1680)下「世話字尽〈略〉及曲輪(ギックリ)
人情本・春色梅児誉美(1832‐33)初「口にはいへど心にぎっくり」
③ 歌舞伎などで、はったとにらむさまを表わす語。
※歌舞伎・名歌徳三舛玉垣(1801)四立「六部、上(かみ)の方に横向き見得。下(しも)の方に順礼手を組でぎっくりと思入」
[2] 〘名〙 歌舞伎役者のする見え。→(一)③。
洒落本・船頭深話(1802)二「わる見へのぎっくりなどをするくせあり」

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