ささ栗(読み)ささぐり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ささ栗」の意味・わかりやすい解説

ささ栗
ささぐり

岐阜県中津川市にある川上屋の名代菓子。小栗(ささぐり)はシバグリのことで、栽培栗に比べて形状は小粒だが滋味に富む。東濃地方では特産のシバグリを使って古くから栗きんとんがつくられ、郷土菓子として高名だが、この栗きんとんの餡(あん)を羊かん種でくるみ、棹物(さおもの)にして竹皮に包んでから丹念に蒸し上げたのが「ささ栗」である。羊かん種には、アズキ小麦粉、少量の葛粉(くずこ)を用いるが、その淡泊な味わいが栗の風味を生かしている。切り口は美しく、素朴さと風雅さを備えた手作りの菓子である。

[沢 史生

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android