さらぬ

精選版 日本国語大辞典 「さらぬ」の意味・読み・例文・類語

さら‐ぬ

[1] 〘連語〙 (動詞「さり(然有)」の未然形に、打消の助動詞「ず」の連体形の付いたもの) そうでない。それ以外の。
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「むすめにも御文たまへど、我も御返事きこえず、女にも御返もせさせず。さらぬ上達部(かむだちめ)、御子たちは、まして御文見いるべくもあらず」
徒然草(1331頃)一三七「鳥部野・舟岡、さらぬ野山にも、送る数多かる日はあれど、送らぬ日はなし」
[2] 〘連体〙 なんでもない。たいしたことのない。
※宇津保(970‐999頃)蔵開上「御硯の近きをさらぬやうにて、筆を取り給て」
仮名草子浮世物語(1665頃)二「良き事也と喜びながら、さらぬ由にて打連れて帰りけり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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