て‐ば
※
万葉(8C後)一四・三四〇〇「信濃なる千曲の川の
小石も君し踏み弖婆
(テバ)玉と拾はむ」
① 「…のに」の意を表わす。
※雑俳・軽口頓作(1709)「にくい事・やすいかもじゃとおもたてば」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「てば」の意味・読み・例文・類語
てば[係助・終助]
《「とい(言)えば」の音変化》
[係助]名詞、名詞的な語に付く。
1 相手の言葉を改めて話題として示す意を表す。…といえば。「ミカンか、ミカンてば紀州物がいいな」
2 話題としてある人を提示し、意外であったり、非難したりする意を表す。…たら。…ったら。…て。「彼ってば案外親切なのよ」
[終助]名詞、活用語の終止形・命令形、助詞などに付く。自分の気持ちがわかってもらえないじれったさを込めて、相手に訴える気持ちを表す。「早くしてってば」
[補説]ともうちとけた対話にだけ用いられ、「ん」以外で終わる語句に付く場合は「ってば」となる。
て‐ば[連語]
[連語]《完了の助動詞「つ」の未然形+接続助詞「ば」》…たならば。
「わが齢君が八千代にとりそへてとどめおき―思ひいでにせよ」〈古今・賀〉
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