ぶっかえり

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ぶっかえり」の意味・わかりやすい解説

ぶっかえり

歌舞伎の仕掛け衣装一種。演技中に衣装を一瞬に変化させる方法で,ほかに「引抜き」という方法がある。衣装の肩の部分で上半身の衣装を前後から綴じつけておき,綴じ糸の末端についた玉を持って引くと,上の衣装が前後に分れてぶっかえって落ちる。その変化によって役の性格が変ったとみなされる。たとえば『鳴神』で鳴神上人が怒りに性格を変えるとき,『関の扉』の関兵衛が大伴黒主という正体を現すときなどに用いられ,効果をあげる。

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