やいの(読み)ヤイノ

デジタル大辞泉 「やいの」の意味・読み・例文・類語

や‐いの

[連語]間投助詞「や」+終助詞「いの」。近世上方の女性語文末にあって、訴えかけたり強く言いかけたりする意を表す。
わしもいっしょに死ぬるぞ―」〈浄・曽根崎

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精選版 日本国語大辞典 「やいの」の意味・読み・例文・類語

や‐いの

  1. ( 間投助詞「や」と終助詞「い」「の」とが重なったもの )
  2. 文末にあって聞き手に働きかける。主として女性が用いる。→やい
    1. [初出の実例]「それでさうしを、くさざうしといふぞやいのと仰られた」(出典:咄本・軽口大わらひ(1680)五)
  3. 人を表わす体言を受け、呼びかけたりする時に用いる。→やい
    1. [初出の実例]「『おさき殿やいの。おきさどのう』『ヲヲかしましい』」(出典:浄瑠璃・今宮心中(1711頃)中)

やい‐の

  1. ( 助動詞「やる」の命令形「やれ」の変化した「やい」に、終助詞「の」が付いたもの ) 軽い敬意のある命令を表わす。
    1. [初出の実例]「早う連れて戻りやいの」(出典:浄瑠璃・心中二枚絵草紙(1706頃)下)

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