デジタル大辞泉 「や」の意味・読み・例文・類語
や[接助・副助・終助・間助・並助・係助]
[副助]名詞、名詞に準じる語に付く。「やもしれない」などの形で、軽い疑問の意を表す。…か。「午後から雨が降る
[終助]活用語の終止形・命令形に付く。
1 同輩・目下の者などに対して軽く促す意を表す。「そろそろ出かけよう
2 軽く言い放すような気持ちを表す。「もう、どうでもいい
3 疑問や反語の意を表す。…(だろう)か。…だろうか(いや、そうではない)。「この結末はどうなりましょう
[間助]名詞、名詞に準じる語、副詞に付く。
1 呼びかけを表す。「花子
「
2 強意を表す。「今
3 詠嘆・感動の意を表す。
「いで、あな幼な―」〈源・若紫〉
「夏草―つはものどもが夢の跡/芭蕉」〈奥の細道〉
[並助]名詞、名詞に準じる語に付く。事物を並列・列挙する意を表す。「赤
「羽音ガ台風―、
[係助]名詞、活用語の連用形・連体形、副詞・助詞などに付く。なお、上代には活用語の已然形にも付く。
1 文中にあって、疑問・反語を表す。
㋐疑問を表す。…(だろう)か。…かしら。
「ももしきの大宮人は
「男、
㋑反語を表す。…だろうか(いや、そうではない)。
「月―あらぬ春―昔の春ならぬわが身一つはもとの身にして」〈伊勢・四〉
2 文末用法。
㋐疑問を表す。…(だろう)か。…かしら。
「いかにぞ、からめたり―」〈古本説話集・下〉
㋑反語を表す。…だろうか(いや、そうではない)。→やは
「
「かばかり守る所に、天の人にも負けむ―」〈竹取〉
[補説]は「ドアが開くやいなや、ホームに飛び降りた」のように「やいなや」の形で慣用的に用いられることが多い。1の場合、文末の活用語は連体形で結ばれる。「ぼろぼろ(=虚無僧)といふもの、昔はなかりけるにや」のように結びの言葉が省略されることもある。また、2を終助詞とする説もある。
や[感]
1 驚いたときや不意に気づいたときに発する語。「
2 突然または偶然に出会った人に呼びかけるときに発する語。「
3 力をこめたり気合いをかけたりするときに発する語。また、音曲などの
4 呼びかけに答える語。はい。
「『して太刀は』『―、ござらぬな』」〈虎明狂・真奪〉
や[五十音]
2 平仮名「や」は「也」の草体から。片仮名「ヤ」は「也」の草体を楷書化したもの。
[補説]「や」は、また、「きゃ」「しゃ」「ちゃ」などの拗音の音節を表すのに、「き」「し」「ち」などの仮名とともに用いられる。現代仮名遣いでは、拗音の「や」は、なるべく小書きすることになっている。